不眠を起こす病気

食品交換表とは?糖尿病治療の第一歩、食事療法と運動療法

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糖尿病治療、食事療法と運動療法

前回の記事icon-external-link では、糖尿病の診断のための検査方法について詳しく見てきました。

血糖値検査等を行い、糖尿病と診断された場合は実際に治療が行われていきます。

糖尿病の治療の柱は食事療法運動療法薬物療法の3つです。

生活習慣病の一つに数えられる糖尿病の治療ではこの中でも食事療法運動療法をいかに実践できるかが重要になります。

今回は、この糖尿病の治療ための食事療法・運動療法についてご紹介していきます。







1.食事療法

健康的な食事

①食事療法の効果

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンが血糖値を下げることができなくなることによって引き起こされる病気です。

過食暴食はこの膵臓に非常に大きな負担をかけており、これを続けると膵臓が弱ってしまい次第にインスリンの分泌がうまくできなくなってしまいます。

これを防ぐために重要なのが食事療法です。

過度なブドウ糖を摂取せず、そして、健康な体を維持するために必要な栄養をバランスよく摂取することにより膵臓を休ませてあげることは血糖値のコントロールにとても役立ちます。

このように糖尿病の治療には何よりもまず食事を見直すところから始まり、そして、これに終わるといっても過言ではありません。

②献立の決め方

食事療法の基本は、適正なエネルギー摂取量に沿った食事をとること栄養バランスの整った食事をとること、そして、規則正しい食生活を送ることの3つです。

では、具体的にはどんな食事をとればいいのでしょうか。

この毎日の献立については、自分に必要な適正エネルギーから逆算して決めていきます。

適正エネルギー摂取量は、基本的には医師がその人の身長や体重、普段の生活などから算出しますが、これは自分でも簡単に計算することもできます。

計算式は以下の通りです。

〈適正エネルギー摂取量〉= 〈標準体重〉×〈身体活動量〉

標準体重とは、今現在の体重ではなく身長から割り出した本来あるべき体重のことを指します。

標準体重は身長とBMIの標準値から割り出します。

〈標準体重(kg)〉〈身長(m)の2乗〉×22(BMI)

例えば、身長が170cmであれば1.7×1.7×22という計算で算出することができます。

この場合だと63.58kgになります。

そして、身体活動量とは標準体重1kgあたりのエネルギー使用量のことを指します。

これは普段行っている運動量から自分に該当するものを選び算出します。

生活活動強度 体重1kgに
必要なエネルギー
職種
軽度 25~30kcal 事務、管理職、主婦など
(デスクワーク中心)
中等度 30~35kcal 製造、サービス業、幼児のいる主婦など
(立ち仕事中心)
やや重度 35~40kcal 脳病・漁業・作業員など
(力仕事中心)

身長170cmでサービス業の方の場合で算出すると以下の通りになります。

〈標準体重:63.58kg〉×〈身体活動量:35kcal〉=〈適正エネルギー摂取量:約2225kcal

まだこれだけだとどんなものを食べればいいか見当もつかないと思います。

そこで次に活用するのが食品交換表です。

食品交換表とは、日本糖尿病学会が作成した食事療法のためのテキストで、カロリーの量から食品を選ぶことができます。

食品交換表では、80kcalを1単位と決めてこの1単位あたりの食品の量を示しています。

例えば6枚切りの食パン1枚であれば2単位(160kcal)、ご飯1杯(150g)であれば3単位(240kcal)といった具合になります。

1日の適正カロリー摂取量が1600kcalだとすれば、これを80kcalで割ると20単位です。

この場合だと極端に計算すると食パンを1日10枚食べれば必要なエネルギーを摂取できたことになります。

しかし、これだと栄養が偏っているのは明らかです。

そこで食品交換表では、カロリーだけでなく栄養バランスのとれた食事にするため、含まれる栄養素から食品を6つのグループに分けています。

食品交換表

※クリックすると拡大できるようになります。

そして、これらをもとに医師が必要な栄養素、カロリーから3食に分けてどれくらい摂取すればいいかを食事指示票に記して患者さんに示します。

icon-check-circle 食品指示票の例(1日20単位:1600kcalの場合)

食品指示表

※クリックすると拡大できるようになります。

この食事指示票からすれば、朝食では表1の食品が3単位、表3が1.5単位、表5が0.5単位、表6が0.3単位となります。

この単位数から考えて、ご飯1杯、卵1個、豆腐50g、ベーコン10g、野菜90gといった具合で単位から相当する食品を選びます。

この食品からすれば、ご飯とベーコンエッグ、サラダ、豆腐の味噌汁のような献立になります。

※参考数値(1単位当たりの重量):

  • ご飯50g
  • 卵50g(1個)
  • 豆腐100g(1/3丁)
  • ベーコン20g

※野菜は具体的な食品ではなく、様々な野菜を含めて1日300gをとるべきとされており、これを1単位としています。そのため、0.3単位であれば90g分になります。

※医療機関によって食事指示票とは異なる名称のこともあります。

食事療法といわれると食べられないものがあるだとか、おいしいものは食べられないといったことをイメージしてしまいますが、そんなことはなく食事のバランスと量を気にしさえすれば基本的に食べられないものはありません。

また、付き合いなどで外食をしなければならず1食この指示からずれてしまったとしても、その後の食事の分量を調節したり、その分運動するといった対策をとることで対応できます。

なにより、この食事療法は何日、何週間という短期的なものではなく長期的に行っていくものです。

自分のライフスタイルに合わせて少しずつできる範囲を増やしていくことが大切です。

ただ、毎日これらの食事を自分で考えて作るのは大変なことです。

特に仕事をしていたり、一人暮らしの場合はどうしても偏った食事になりがちです。

そのような場合には糖尿病や高血圧など栄養素やカロリーを考えて食事をとらなければならない方向けの健康食の宅配サービスを行っている会社もあります。

特におススメしたいのがウェルネスダイニングという会社が行っている宅配健康食のサービスです。

管理栄養士が必要な栄養素やカロリーを考慮した料理を1食600円ほどで自宅まで届けてくれます。

また、1食ごとに冷凍された状態で届き、レンジでチンするだけなので手間は一切かかりません。

食事療法を自分だけで行うのは難しいと思う方は選択肢の一つとして検討してみてください。

③食べる順番療法

このようにカロリーや栄養素から何を食べるかということが食事療法では重要になりますが、もう一つ食事をとる際に気を付けるべきところがあります。

それは食事を食べる順番です。

同じ栄養素、同じ量の食事をとったとしてもその食べる順番を変えることで食後の血糖値の上昇を抑えることができることが研究でわかっています。

具体的にはまず野菜を最初に食べ、次にタンパク質を含む主菜(肉や魚)、そして最後に主食である炭水化物を食べるというだけです。

実際に大阪府立大学で行われた実験のデータを参照してみます。

食べる順番療法の研究

野菜から食べる「食べる順番」の効果(大阪府立大学教授 今井佐恵子)

※クリックすると拡大できるようになります。

灰色の線が野菜から食べた場合、黒い線が炭水化物から食べた場合の血糖値になります。

明らかに灰色の線が黒い線より低いことがわかると思います。

では、なぜ食べる順番を変えただけで血糖値に差が出るのでしょうか。

これは野菜に含まれる食物繊維が糖質の吸収を遅らせる働きがあるためです。

また、炭水化物の前に野菜やたんぱく質をとると、インスリンの分泌を促すインクレチンというホルモンが分泌されるので血糖値の上昇が抑えられるのです。

気を付けるべきことは最初に野菜を食べ、最後に炭水化物をとること、そして、食べるときは時間をかけてよく噛んで食べるこが重要です。

これにより、血糖値だけでなく満腹感も得やすくなり、そして、腸内環境も整い便秘の解消にも効果があります。

糖尿病の治療が必要な方だけでなく健康な方でも、非常に簡単に血糖値を抑えることができる食べ方なのでぜひ実践してみてください。

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2.運動療法

ジョギングする男性

食事療法とともに糖尿病治療で重要なのが運動療法です。

食事療法でカロリーを制限していても運動をしなければ筋肉の量は落ち、消費するエネルギーの量も少なくなってしまうので糖尿病改善には好ましくありません。

また、運動には糖尿病を改善するたくさんのメリットがあります。

まず、運動をするとブドウ糖をエネルギーとして消費するので直接的に血糖値を下げることができます。直接細胞にブドウ糖を供給することができるのでインスリンを節約し、膵臓の負担を軽減することができます。

そして、インスリン作用効率の悪さを示すインスリン抵抗性も、運動をして内臓脂肪を減らすことによってこれを下げることができ、インスリンを効きやすくする効果もあります。

他にも筋肉量が増えることによる糖の利用量の増加、血圧の安定による動脈硬化の予防、心臓や肺の機能を高め合併症を防ぐ効果などがあります。

運動はできれば毎日、最低でも週に3日以上のペースで継続して行うことが必要です。

普段からスポーツをしている場合はそれを続ければよいですが、あまり運動をする習慣のない方にはやはりウォーキングが最もおススメです。

ウォーキングの目安としては1日20~25分ほど行えば血糖値は下がってきます。

ただ、日々の生活の中でウォーキングのためだけの時間を確保したくでもできないという方も多いでしょうし、何時からは歩く時間と決めて意気込むとかえって長続きしないものです。

ウォーキングを続けるコツとしては、生活の中に組み込むことです。

いつも駅まで自転車やバスを使っているのを徒歩にしてみるだとか、スーパーへの買い物を徒歩にしてみるといったいつもしている行動にウォーキングを取り入れると続きやすいです。

私もこれまで運動は全くと言っていいほどしていませんでしたが、その重要性に気づき、会社からの帰りのバスを歩きにしてみることでなんとか続けています。

ウォーキングといった軽い運動でも血糖値や肥満の改善だけでなく、気分もすっきりしますし、夜もぐっすり眠ることができるのでやってみてよかったと感じています。

なお、糖尿病の治療として運動を行う場合に注意しなければならないのが低血糖です。

激しい運動により糖を消費して血糖値が下がりすぎてしまうと昏睡の可能性もある低血糖症を引き起こす恐れもあります。

ですので、運動をする際には空腹時や食後3~4時間後は避けること、限界まで追い込むのではなく6割程度の強度の運動をすること、そして、すぐにエネルギーできるように携帯できるブドウ糖やジュースを必ず持ち歩くことが必要です。

まとめ:食事・運動療法はできるところから

以上、糖尿病の主な治療である食事療法と運動療法についてご紹介してきました。

文章で淡々と書いていますが、ここまで読んでいただいた方にはその大変さも十分に伝わっていることと思います。

もちろんこれらを全て治療開始から完璧にできれば血糖値は低下し、糖尿病の進行を食い止めることができるでしょう。

ですが、これまで過ごしてきた生活を変えることは大きなパワーがいりますし、ストレスもかかります。しかもこれらの治療はすぐに終わるものではなく基本的にはずっと続けることとなります。

ですので、まずこれまでの生活はどんな状態だったのかを把握することから始め、自分ができる範囲で少しずつ変えてけばいいと思います。そして、医師も家族も含め周りが必ず助けてくれます。

いろんな力を借りながらも糖尿病の改善に向けて一歩一歩進んでいくことができるよう願っております。

次回の記事では、食事療法と運動療法と並ぶ治療の柱である薬物療法についてご紹介していきます。

新薬の効果は?糖尿病の最新治療における薬物療法

合併症に要注意!糖尿病の種類とその主な症状
血糖値とHbA1cの数値は?糖尿病とその合併症のための検査







参考:
・よくわかる最新医学 糖尿病最新治療・最新薬 鈴木吉彦
・糖尿病今注目の最新療法 清野裕
・〈医師〉〈看護師〉〈患者・家族〉による糖尿病の本 阪本雄一
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