不眠を起こす病気

生理不順や動悸など女性を悩ます更年期障害の15の症状

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更年期障害の15の症状

運動もしていないのに急に汗がたくさん出て恥ずかしい思いをした…
いつもより生理が来るのが遅かった…
最近身体がだるくてやる気が出ない…

もし、あなたが40歳以降の女性で、このような症状で悩んでいるのなら、もしかしたら更年期障害の恐れがあります。

更年期には閉経に伴うホルモンバランスの変化によって身体や精神に様々な不調があらわれますが、女性ならば誰しもがなる避けては通れない道です。

ただ、更年期について正しい知識を持っていれば、適切な治療や対策をとることで症状を軽減させることは十分に可能です。

今回は、これらの症状に悩む方、また、これから更年期を迎える方に向けて、更年期障害とはなんなのか、そして、更年期障害の代表的な症状についてご紹介していきたいと思います。







1.更年期障害とは

①更年期とは

女性には、子どもの頃の初潮から始まり、妊娠や出産など男性にはない身体に大きな変化をもたらす節目がいくつかあります。

その一つが閉経です。

女性の身体は約1か月間の周期で排卵と月経を繰り返し妊娠に備えていますが、この月経が起こらなくなるのが閉経です。正確には1年間月経がないと閉経と診断されることになります。

閉経になる年齢には個人差がありますが、日本人女性の閉経になる年齢の平均は約50歳です。

更年期とは、この閉経になる前後10年およそ45~55歳を指します。

更年期は18~45歳までの性成熟期から老年期に至るまでの過渡期であり、閉経に伴う卵巣の機能低下により身体や精神面に様々な影響が生じてきます。

更年期を自覚するわかりやすい症状には、生理不順があります。

いつもより早く、あるいは遅く生理が来る、また、生理の持続日数や月経血の量の増減としてあらわれる場合もあります。

40代以降でこのような症状が出始めた場合、更年期が訪れたと判断して間違いないでしょう。

②更年期と女性ホルモン

更年期における様々な症状の原因は、卵巣機能の低下による女性ホルモンの分泌量の減少です。

女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、その分泌量をコントロールしているのは脳の視床下部というところです。

視床下部は血液中のホルモンの量をチェックしていて、一定の分泌量を維持するよう調節しています。

視床下部と女性ホルモン

もし、この視床下部が女性ホルモンの量が減少していると感知すれば視床下部のすぐ下にある脳の下垂体というところに指令を出します。

指令を受けた下垂体は卵胞刺激ホルモンという物質を分泌し、卵巣に直接刺激して女性のホルモンの分泌を促します。

女性ホルモンが減少すると

しかし、更年期になり卵巣の機能が低下してくると、血中の女性ホルモンの量が減り、視床下部がもっと分泌するように指令を出しても、卵巣がそれにこたえられなくなってきます。

指令を出したのに女性ホルモンの量が増えない状態が続くと視床下部は次第にパニックに陥ってしまいます。

視床下部はホルモンの分泌量のコントロールだけでなく自律神経の調節も行っており、パニックになった視床下部はこの自律神経の調節もうまくできなくなってしまいます。

更年期になると

自律神経は、呼吸や発汗、脈拍、消化など身体の様々な部分を自動で維持する働きを持つ神経で、運動をすれば呼吸や脈拍が上がったり、暑い時に汗が流れるのも自律神経の働きによるものです。

この視床下部の混乱に起因する自律神経の乱れによって、運動もしていないのに汗を大量にかいてしまったり、息切れを起こしてしまったりするのです。

視床下部によってコントロールされる女性ホルモンには、妊娠を助けるプロゲステロンと妊娠とともに女性らしい身体をつくるのに必要なエストロゲンの2種類がありますが、更年期の症状に大きく関係しているのはエストロゲンです。

女性ホルモンといえばこのエストロゲンを指すこともあります。

このエストロゲンには、思春期に女性らしい身体の成長を促す機能だけでなく、皮膚のハリを維持する働きや、骨量の維持、血中の善玉コレステロールを上昇させて血管をきれいにする働きなど多くの役割があります。

更年期における様々な症状は自律神経の乱れとこのエストロゲンの減少が関係しています。

多くの働きを持つエストロゲンが減少することにより、皮膚や粘膜などの働きが衰え、手足のしびれやドライアイといった症状としてあらわれてきます。

③更年期障害とは

このように、更年期を迎えた女性には様々な症状があらわれることがありますが、すべての女性が更年期障害になるわけではありません。

医学的には、多汗や動悸など更年期の特徴的な症状があらわれることを『更年期症状』、そして、これらの症状が日常の生活に影響を与えるほど強くあらわれることを『更年期障害』と呼び区別されています。

女性の更年期をサポートするNPO法人ちぇぶらが行った調査icon-external-link によると、日常に支障が出るほどの症状が出た人は全体の6.2%にとどまっていたことがわかっています。

更年期の症状がどのくらいだったか

※NPO法人ちぇぶらが行った更年期経験者1014名アンケートをもとに筆者が作成
※クリックすると拡大できるようになります。

では、なぜこのように人によって症状の強さが異なるのでしょうか。

これには3つの要因が関わっていると考えられています。

まず1つ目は体質的な要因です。

更年期による卵巣機能の低下や女性ホルモンの減少は誰にでも起こることですが、その低下の具合や起こり方は人によって異なります。

また、これらの低下の影響に体が敏感な人もいればそうでない人もいます。

日頃から自律神経が乱れやすい人や過労や睡眠不足などの生活習慣を送っている人も症状があらわれやすいといわれています。

2つ目は心理的な要因です。

性格的に症状を敏感に感じ取ってしまう人や症状の辛さを他人にわかってもらえないと孤独感を感じてしまう人、頑張り屋さんで普段通りにできない自分に不満を持ってしまう人などはストレスをためやすく症状が悪化させてしまうこともあります。

そして3つ目は、環境的な要因です。

更年期にあたる40代、50代の女性は子供の将来や夫との関係、親の介護などの家庭の問題だけでなく年齢的に責任のある仕事を任されやすくプレッシャーを強く感じる年齢でもあります。

また、現代の女性は仕事と家庭の両立を求められ、過剰なストレスを受けやすい環境にあります。

これらのストレスは女性ホルモンの減少や自律神経の乱れの要因ともなり、更年期の症状にも大きく関係してきます。

2.更年期障害の主な症状

更年期症状・更年期障害は自律神経の乱れやエストロゲンの減少によって引き起こされるため身体の様々な部分だけでなく精神面にも影響を与え、多種多様な症状があるのが特徴です。

また、頭痛がしたかと思えば耳鳴りがするようになった、あるいは同じ症状でも強さが異なるなど症状が一定しない傾向もあります。

以下では、更年期にあらわれる症状として代表的なものを説明していきますので、ご自身にあてはまるかどうかを確認しながらご覧ください。

①月経不順

生理予定日

通常であれば月経は25~28日で周期的に繰り返され、ずれても6日くらいであれば正常の範囲内です。

しかし、更年期になると24日以下での短い周期になったり(頻発月経)、逆に3か月に1回、半年に1回など長い周期になったり(稀発月経)と周期が乱れてきます。

また、周期の乱れだけでなく、月経血の量が多くなったり(過多月経)、極端に少なくなる(過小月経)場合もあります。

このような月経不順を経て1年間月経が起こらなくなると閉経とみなされます。

頻発月経や過多月経は貧血やそれによる立ちくらみを引き起こすことがあったり、また、月経による不規則な出血は子宮や卵巣の病気で起こっている場合もあります。

不安に感じたら早めに病院で検査を受けるようにしましょう。

②のぼせ・ほてり・多汗(ホットフラッシュ)

更年期の症状で最も代表的なのがのぼせほてり、そして多汗です。

場面や気温に関係なく、また、普段汗かきでない人でも突然起こるのが特徴です。このような症状を『ホットフラッシュ』と呼ぶこともあります。

更年期には女性ホルモンであるエストロゲンが1日あるいは数時間ごとに分泌量が上下し、その影響で体温や汗をコントロールしている自律神経が乱れてしまうことによって生じると考えられています。

また、夜中に突然汗をかき、そのせいで睡眠不足やそれによるイライラなどを引き起こしてしまうこともあります。

③冷え症

毛糸の靴下をはく女性

思春期以降の女性の半数以上が冷え症で悩んでいるといわれるほどの女性に多い症状である冷え症ですが、更年期になるとさらに多くなります。

更年期の冷え症では先ほどののぼせやほてりを伴うのが特徴です。また、若い時から冷えで悩んでいる人ほど強く症状があらわれるといわれています。

この冷え症も自律神経の乱れによる血行不良が主な原因となります。

④動悸・息切れ

階段を急いで駆け上がったり、激しい運動をしたりすると息を切らしたり、胸がドキドキするのは誰にでも起こることですが、更年期の場合、これらのきっかけがないのに突然動悸や息切れが起こることがあります。

また、夜中眠っている時に突然動悸に襲われ目を覚ましてしまうことも少なくありません。

これも心臓の拍動をコントロールしている自律神経の乱れが原因で起こります。

⑤頭痛・肩こり

頭を押さえる女性

更年期における頭痛は1日に何度も起こったり、止まったかと思ったら数日後また痛くなるといった繰り返し起こることが特徴です。

頭痛は他の更年期の症状である不眠やめまいなどが引き金になって起こる場合もあります。

原因としては自律神経の乱れによる血行不良や老眼が始まったことによる眼精疲労icon-external-link が考えられます。

特に老眼に関しては度のあったメガネに変えると症状が改善することもあるので一度眼科で検診を受けることをおすすめします。

また、血行不良による肩こりも更年期の代表的な症状の一つです。

これまで肩こりで悩んだことがない人でも起こることがあり、肩こりによって頭痛が引き起こされることもあります。

⑥不眠

不眠にもタイプがあり、寝つきが悪い入眠障害、途中で起きてしまう中途覚醒、早く起きすぎてしまう早期覚醒などがありますが、更年期における不眠はこれらが重なって起こることが多いのが特徴です。

また、他の更年期の症状である、冷えのぼせ夜間頻尿などが原因となることもあります。

⑦不安感・イライラ・情緒不安定

絶望する女性

人の精神は様々なホルモンによってコントロールされているので、更年期によって女性ホルモンが減少するとその影響で精神が不安定になってしまいます。

また、女性ホルモンは脳の血液循環や記憶力に影響を与えることがわかっており、これが減少すると集中力や記憶力の低下につながります。そうなると仕事や家事でこれまでできていたことができなくなり落ち込んでしまうこともあります。

特に更年期を迎える女性は子育てや介護、そして仕事において変化が多くストレスを感じやすい時期であるのも原因の一つと考えられます。

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⑧疲労感・倦怠感

仕事に精を出したり、激しい運動をしたりすると感じる疲労感は通常であれば十分休息をとれば解消されるものです。

しかし、更年期における疲労感倦怠感は休息をとっても解消されず、また、特に疲れが溜まることをしていないのに感じることも多くあります。

この疲労感や倦怠感は女性ホルモンや自律神経の乱れに身体が対応しようと無理をしたことによって生じます。

上で紹介したNPO法人ちぇぶらが行った調査でも更年期における症状の中で汗をかきやすいという症状に次いで2番目に多いのが疲れやすいという症状で35%の人が経験しています。

⑨手足のしびれ

更年期の症状でよくあるものの一つに手足のしびれが挙げられます。

手足のしびれのほかにも皮膚がピリピリしたり、皮膚の上をアリが這っているような感覚に襲われる人もいます。

これはエストロゲンの減少が関わっていて、皮膚のハリを維持していたエストロゲンが減少し皮膚の老化が進むことで、皮膚が薄くなり敏感になるため、小さな刺激にも反応してしびれのような感覚を覚えることになります。

⑩腰痛・関節痛

腰痛に悩む女性

更年期を迎えると腰や身体の節々の関節が痛くなることがあります。

特にハイヒールを履いたり、肥満傾向にある方は普段から腰に負担をかけやすく腰痛が起こりやすくなります。

この腰痛や関節痛もエストロゲンの減少が関わっています。

関節軟膏の弾力性が失われて伸びにくくなったり、すれやすくなったりすること、そして、ヒアルロン酸やコラーゲンが減少することで関節が滑らかに動かなくなることが原因です。

また、更年期世代では、腹筋や背筋といった筋肉が衰えるためこれも腰痛の原因の一つとなります。

⑪眼精疲労・老眼・ドライアイ

日本人の場合、ちょうど更年期を迎える40代から老眼の症状があらわれ始める人が多いようです。

老眼は、ピントを調節する水晶体の老化により起こります。

老眼は老化の象徴のようなイメージがあり抵抗感がある人もいますが、無理をしていると肩こりや頭痛が引き起こされることもあります。老眼が始まったと感じたら早めに老眼鏡をつくるようにしましょう。

また、更年期になると眼球を支えている筋肉が衰えることで目が疲れやすくなり眼精疲労も起こりやすくなります。

さらに、目が乾きやすいドライアイも更年期における症状の一つです。

本来、目は涙で保護されていますが、エストロゲンが減少すると肌の潤いがなくなるのと同様に目の潤いも不足してきて目が乾く、目が疲れやすい、ひどい場合には目を開けることさえできないといった症状としてあらわれてきます。

⑫耳鳴り

激しい運動をしたあとや、コンサート・ライブ会場などで大音量を聴いていたあとなどに耳鳴りがするのは健康な人でもありますが、更年期の場合、こうした要因無しにキーンと耳鳴りがすることがあります。更年期の耳鳴りは症状が比較的軽いのも特徴の一つです。

ただ、急に強い耳鳴りがしたり、めまいを伴う場合は他の病気の可能性があるため、早めに耳鼻科で検査を受けることをおすすめします。

⑬めまい

目の前がくらくらするめまい

めまいといっても実は種類があり、壁や天井がグルグル回っているように感じる『回転性のめまい』と身体がふわふわと宙に浮いているように感じる『浮動性のめまい』の2種類があります。

更年期に起こるめまいは2つ目の浮動性のめまいの場合が多いです。

このめまいは自律神経の乱れから生じ、睡眠不足やストレス気温の変化などが引き金になることもあります。

⑭尿もれ・頻尿

更年期に意外と多いのが尿漏れ頻尿など尿のトラブルです。

実は、40代・50代の女性の3人に1人くらいの人が尿もれで悩んでいるといわれています。

更年期に起こる尿もれは重いものを持った時などお腹に力が入ったときに尿がもれてしまう腹圧性尿失禁と呼ばれる症状です。

腹圧性尿失禁は膀胱を支える筋肉が弱まることによって生じ、筋肉の弱まりは加齢とともに女性ホルモンの減少によっても起こります。

また、尿もれ以外にもトイレが近くなる頻尿となってしまう場合もあります。

これも加齢や女性ホルモンの減少により、尿道や膀胱の粘膜が薄くなることで尿意に敏感になり、あまり膀胱にたまっていなくても尿意を感じやすくなるため引き起こされます。

⑮肌のしみ・しわ・皮膚の乾燥

更年期を迎える女性を悩ます症状が肌のしみ・しわなど皮膚のトラブルです。

女性ホルモンはコラーゲンを増やし、肌の弾力や水分を維持する働きがあり、若々しい肌を保つには必要不可欠なものです。

しかし、更年期になるとこの女性ホルモンの分泌量が低下し、コラーゲンの量も減ってしまいます。

また、加齢による皮膚そのものの老化も重なることで肌の潤いがなくなり、しわやしみ、乾燥などが起きやすくなってきます。

これらの15の症状が更年期における代表的なものですが、これら以外にも、性交痛むくみ肥満髪のパサつきなどの症状があらわれる場合もあります。

まとめ:つらい場合は抱え込まず医師の力を借りましょう

以上、更年期障害とはなんなのか、そして更年期障害の代表的な症状についてご紹介してきました。

更年期の症状は身体的なものから精神的なものまで多岐にわたり、女性の生活に大きな影響を与えてしまいます。

ですが、現在ではホルモン補充療法漢方療法などの治療法が確立されていて、適切な治療を受ければ症状を改善することは十分に可能です。

これらの症状で悩む方は一人で抱え込まず、早めに専門家である医師の治療の受けることをおすすめいたします。

※なお、更年期障害を相談できる医療機関については株式会社QLifeという会社が運営しているサイトで検索することができます。気になる方は下記のサイトをご覧ください。

更年期障害を相談できる病院検索

次の記事ではこのような症状があらわれた際に病院で診断を受ける時の検査法やチェック法についてご紹介していきます。

何科を受診?更年期障害の病院での5つの検査とセルフチェック法

ホルモン補充療法(HRT)と漢方療法。更年期障害の2つの治療法とは
食事やヨガなど更年期障害を緩和する自分でできる4つの対策







参考:
・最新版 更年期障害 これで安心 辛い症状と不安を解消! 監修 堀口雅子
・更年期障害の最新治療 監修 村崎芙蓉子
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