睡眠障害

腕に症状が現れることも?むずむず脚症候群の治療と7つの対処法

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むずむずして眠れない!

脚がむずむずして眠れない!

寝ているとき、脚がむずむずしたり何か違和感を感じてしまい、気になって眠れないといった経験はおありですか。

このような症状が出ても特に痛いわけでもなく、むずむずするだけだから病気ではないだろうと放置してしまいがちです。

しかし、実はこの症状には名前があり、その名も『むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)』といい、れっきとした病気なのです。

今回は、この脚がむずむずして眠れないむずむず脚症候群の対処法や治療法についてご紹介します。







1.むずむず脚症候群の症状

むずむず脚症候群の主な症状はその名の通り、眠ろうとするときに脚がむずむずしているように感じられることです。

ケガやかゆみといった原因がないのに足に不快感を覚え、そのせいで不眠を引き起こすこともあるため睡眠障害の一つとされています。

感じるのは、脚がむずむずするほかに以下のような症状を訴える場合もあります。

  • 脚の中を虫が歩いている感じ
  • じんじん・ぴりぴりする
  • かゆい
  • 火照っている
  • 冷たい
  • 立ち上がって動き回りたくなる
  • 足踏みしたい
  • 電気が流れるような感覚
  • 痛みが強くなる

むずむずする不快感・異常感覚は、主にふくらはぎや足の裏などに感じることが多いですが、などの上半身に症状があらわれる場合もあります。

これらのむずむず脚症候群の特徴的な症状は、夜の時間帯安静にしているときに起こります。

通常は、朝方に感じることは少なく、主に夕方から夜にかけてあらわれます。

この夕方から夜であれば眠るときに限らず、椅子に座って本を読んでいるときやテレビを見ているとき、パソコンを使用しているときでもむずむずを感じることがあります。

また、夜ではなく昼間でも長く座っているとき、例えば映画館で映画を見ているときや美容院にいるとき、飛行機に乗っているといった安静にしているときでも症状が生じる可能性があります。

このムズムズ感は、歩いたり足を伸ばしたりすると収まるのがこの病気の特徴ですが、動かすのをやめると元に戻ってしまいます。

脚のムズムズのほかにも、眠っているときに突然足が勝手にピクンと動く、蹴るように動く、足首がピクピクと曲がるといった症状が出ることもあります。

これは周期性四肢運動障害icon-external-link というまた別の病気の症状ですが、むずむず脚症候群患者の8割がこの病気を合併しているといわれています。

2.むずむず脚症候群の原因

原因

むずむず脚症候群発症の原因はいまだ明らかにされてはいませんが、ドーパミンという脳内物質が関係していると考えられています。

ドーパミンは運動を正しく制御する働きを持っているので、このドーパミンに異常が起こり、むずむずする不快感を感じるようになるのではないかといわれています。

また、このドーパミンの合成には鉄分が必要で、鉄分不足も発症に関連しているとも考えられています。

実際に、鉄剤を患者に投与したところ症状が改善したという報告もあります。

ほかにも、パーキンソン病、腎不全、妊娠、うつ病、糖尿病とともに発症するケースが多くあり、これらとの関連も指摘されています。

関連する病気や状態とむずむず脚症候群の合併率

関連する病気・状態 合併率
パーキンソン病 12.1%
腎不全 23.2%
糖尿病 45.0%
妊娠 19.9%

※糖尿病はアメリカでの数値で、ほかは日本での数値。

参照:標準的神経治療:Restless legs症候群(日本神経治療学会)

さらに、喫煙、飲酒、肥満、運動不足、遺伝などの要素も発症や重症度に関わっています。

特に喫煙・飲酒に関しては、している妊婦はしていない妊婦と比べて発症率が2倍以上になるという報告もあります。

3.むずむず脚症候群の検査・診断

むずむず脚症候群の症状がみられる場合は、その確定診断を行うための検査が行われます。

主に行われるのは以下の4つです。

①問診

まずはどの病気でも行われる問診です。

むずむず脚症候群の問診では主に以下のようなことが聞かれます。

  • 症状があらわれた年齢
  • 症状があらわれ期間
  • 症状があらわれる部位
  • 日中の症状
  • 就寝中の周期性四肢運動障害の有無
  • 家族歴
  • 病歴
  • 飲酒・喫煙・カフェインの摂取頻度など

②一般生化学検査

むずむず脚症候群の発症には鉄分が関わっていると考えられるため血液検査などを行い鉄代謝異常が起こっていないかを調べます。

③睡眠ポリグラフ検査

睡眠ポリグラフ検査とは、睡眠障害の代表的な検査で、身体の各部位にセンサーをつけた状態で眠り、睡眠中の脳波や筋電図などを測定する検査です。

特にこの検査では先ほども触れた周期性四肢運動障害が起こっていないかを調べることができます。

④SIT

SITとは、『Suggested Immobilization Test』の略で、夜の9時から1時間ほど足を伸ばした状態で安楽椅子に座り、足の動きを筋電図で測定する検査です。

また、検査中には5~10分ごとに足の不快感をアナログで記録します。

これらの検査を行い、他の病気ではなくむずむず脚症候群であると診断された場合は治療や対策を講じていくことになります。

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4.むずむず脚症候群の自分でできる対処法

むずむず脚症候群の治療には治療薬を用いた薬物療法と薬を使わない非薬物療法の2つの治療法がありますが、軽症の場合、非薬物療法だけで改善することもあります。

特に非薬物療法は自分でもできる対処法もありますのでご紹介します。

①喫煙・飲酒を控える

喫煙飲酒を控える

先ほどふれたように飲酒喫煙は発症の原因となってしまう可能性があるため、極力控えるようにしましょう。

特に喫煙はむずむず脚症候群だけでなく、身体の健康を害するもので、百害あって一利なしです。この機会に禁煙を心がけましょう。

また、飲酒も合併症を引き起こす糖尿病icon-external-link の原因ともなります。

ストレス社会を生き抜いていくにはアルコールが必要なことは非常によくわかりますが、飲みすぎないように気を付けてください。

②カフェインが入った飲み物を控える

カフェインを控える

アルコールと同様にカフェインも症状を引き起こす可能性が指摘されていますので、これも極力飲むのは控えるようにしましょう。

カフェインはコーヒーだけでなく、ほかにも紅茶や緑茶にも含まれていますので注意が必要です。

特に眠る前のカフェインは不眠の原因ともなってしまうためできるだけ控えるようにしてください。

③鉄分を十分摂取する

鉄分を含むホウレンソウ

鉄剤を投与すると症状が改善した例もありますので、普段から鉄分を十分摂取することが大切です。

鉄分は、レバーなどの肉類やイワシや煮干し、あさりといった魚介類、納豆・枝豆などの豆類、そして、ホウレン草や小松菜などの野菜に含まれています。

特に女性の方は、鉄分不足になりがちなのでこれらの食材を意識して食べるようにしましょう。

④誘因する薬の服用を避ける

原因となる薬を控える

むずむず脚症候群は鉄分不足や腎不全といった病気だけでなく、特定の薬の服用によっても引き起こされることが報告されています。

原因となる薬は、抗うつ薬向精神薬胃腸内服薬抗ヒスタミン薬などが挙げられます。

これらを服用している場合は、服用を中止したり減量することで症状が改善することもあります。

ただ、病院で処方されている場合は、必ず医師に相談するようにしましょう。

⑤適度な運動をする

日常的な運動

日常的な運動は、質の良い睡眠に効果があるだけでなくむずむず脚症候群の症状改善にも効果があります。

実際に、1週間のうちの3日間に有酸素運動をすると、症状が改善したという報告があります。

また、飲酒と同様、糖尿病の予防にもなりますので、日頃の生活に積極的に取り入れていくようにしましょう。

ただ、激しい運動は症状を悪化させることあるともいわれているので、適度な運動量に抑えるように注意してください。

⑥暖かい風呂や冷たいシャワーを浴びる

シャワーを浴びる

入浴シャワーは症状を軽減・海象させる効果があります。

症状が出て眠れないときは、一度起きてシャワーを浴びてすっきりしてから眠るのが有効です。

なお、温かい水か冷たい水のどちらが効果があるかは人によって異なるので注意が必要です。

⑦症状が出たらいっそのことゲームをする

症状への対策はゲーム

脚のむずむずは症状があらわれると気になって仕方がなくなり苦痛を感じてしまいがちです。

そこで、気をそらす対策としてはゲームをするのが効果的です。

ゲームに集中することで症状を感じないようにすることができます。もちろん集中することができればゲームでなくても構いません。

これはふざけた提案に見えてしまいますが、日本神経治療学会が提唱する非薬物療法の一つで信用に値する対処法なのでご安心ください。

5.むずむず脚症候群の治療(薬物療法)

むずむず脚症候群を改善するには、まず腎不全や糖尿病、鉄分不足といった症状を引き起こす原因となる病気などを治療することが必要となります。

そして、原因となる病気がない場合は、非薬物療法とともに治療薬を用いた薬物療法が行われることになります。

主に使用されるのは、ドーパミンに関連した神経の活動を活性化させるドーパミン作動薬でプラミペキソールという薬になります。

2010年に承認されたばかりの新しい薬でパーキンソン病の治療にも使われています。

副作用も少なく、眠る前に1錠服用するだけで劇的な効果があり、およそ8割の患者に症状改善効果があるといわれています。(※)

ほかにも抗てんかん薬としても使われるクロナゼパムや2012年に承認されたばかりのガバペンチン・エナカルといった眠りに効果があるといわれるGABA(ギャバ)の働きを強める薬が使われることもあります。

これらの薬はパーキンソン病やてんかんの治療に使う数分の一の量で効果があり、多くの場合症状が改善します。

※参照:おくすり110番

まとめ:むずむず脚症候群は病気です

以上、むずむず脚症候群の対処法や治療法についてご説明してきました。

むずむず脚症候群は症状を人に伝えづらく、あまり知名度も高くないため病院で治療という考えが真っ先に浮かぶことは少ないかもしれません。しかし、多くの場合、非薬物療法と薬物療法で症状を改善することができます。

もしあてはまるかもしれないと思った方は、早めに専門医を受診することをおすすめします。

なお、この病気は身体や皮膚が異常だと感じ、皮膚科や整形外科に行ってしまうケースも少なくありません。

むずむず脚症候群は、睡眠障害の一つなので睡眠医療の専門医で治療を受ける必要があります。

睡眠医療の専門医については、日本睡眠学会のHPで睡眠医療認定医がリストアップされていますので、どこに診察に行けばいいかわからないという方はこちらを確認してみてください。

睡眠医療認定医リスト(日本睡眠学会)

周期性四肢運動障害の症状と治療法







参考:
標準的神経治療:Restless legs症候群(日本神経治療学会) icon-external-link
・好きになる睡眠医学 内田直
・女性のための睡眠バイブル 渋井佳代・遠藤拓郎
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