睡眠障害

6つの種類の睡眠障害とその症状や治療法

睡眠障害の種類と症状

日中常に眠気を感じて集中できない、夜なかなか寝付けないと日頃の睡眠に困っている方は多いのではないでしょうか。

すぐに思いつくものとしては不眠症がありますが、睡眠に関する障害はこれだけではありません。

自分の症状を間違った認識で対処してしまうと、一向に治らず普段の生活に支障が出てしまうことがあります。

逆に言えば睡眠障害を正しく理解することは、適切な処置を受け早期に治すことにもつながります。

そこで、今回は睡眠障害の種類やその症状についてご紹介していきます。







1.不眠症

まず睡眠障害の中でも最も有名な不眠症です。

不眠症では、以下の4つのタイプの不眠の症状があらわれます。

  • 入眠障害:寝つきが悪い
  • 中途覚醒:途中で起きてしまう
  • 早期覚醒:あまりに早く起きてしまう
  • 熟眠障害:睡眠に満足感が得られない

この4つのいずれか、または複数が1か月以上続き、眠気や倦怠感などで日中の活動に問題が生じている場合に不眠症と診断されます。

不眠症を治療していくためにはその症状の原因を把握することが非常に大切です。

不眠症の主な原因は以下の5つです。

  • ストレスによる不眠
  • 身体の病気による不眠
  • 心の病気による不眠
  • 生活リズムの乱れによる不眠
  • 薬や刺激物による不眠

ぜんそくやアトピーといった身体の病気、うつ病などの心の病気が原因であればまずその病気の治療が、が原因であれば薬の変更・休薬することが必要となります。

そして、ストレスや生活リズムが原因であれば、まずは生活習慣の見直したり、眠る前のリラクゼーション法を行うよう指導します。

それでも症状が改善されない場合は、睡眠薬が処方されることとなります。

睡眠薬には効き目が持続する時間によって種類が分かれており、入眠障害であれば短いものを中途覚醒であれば長いものをといった症状のタイプに合った薬が処方されることになります。

もし、自分が不眠症かもしれないと感じた方は、自分で不眠症かどうかをチェックできるアテネ睡眠尺度という診断テストがありますので一度確認してみることをおすすめします。

以下のページで簡単にチェックできるので確認してみてください。

不眠症診断テストを受ける

不眠症の4つの症状と5つの原因

2.睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に舌が気道に落ち込んでしまうことで呼吸ができなくなったり、浅くなってしまうことにより生じる睡眠障害です。

この睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状はいびきです。

睡眠中に『ガァー、ガァー』という大きないびきをかき、その途中で息が詰まり無呼吸となるのがこの病気の特徴です。

このいびきや無呼吸を含め、睡眠時無呼吸症候群では以下のような症状があらわれます。

  • いびき・無呼吸
  • 中途覚醒・熟眠障害
  • 夜間頻尿
  • 日中の居眠り
  • 起床時の頭痛
  • 勃起不全(ED)
  • 肥満

特に日中の眠気は非常に強く、車などの運転中であっても居眠りをしてしまうこともある大変危険な病気です。

また、最悪の場合には無呼吸による血中の酸素が不足し、血液が濃く詰まりやすくなることで心筋梗塞脳梗塞といった死にかかわる病気に繋がってしまうこともあります。

この睡眠中の無呼吸を引き起こす主な原因は肥満です。

肥満により気道付近に脂肪がたまってしまうと、気道が狭くなり睡眠時の呼吸に支障が出てしまいます。

治療法としては症状が軽い場合、睡眠時に専用のマウスピースが用いられます。

このマウスピースを口に入れながら眠ることでかみ合わせを調節し、無呼吸状態を防ぐことができます。

症状が重い場合は、CPAP(シーパップ)という装置を使った治療が行われます。

これは鼻につけたマスクに空気を送り込むことで狭くなっている気道を強制的に広げて無呼吸を防ぐ治療法です。

CPAP

photo credit: Vicky TGAW CPAP Mask via photopin (license)

多くの人はこのCPAPにより、不快感もなくすっきりと目覚め日中の眠気もなくなります。

このCPAPは非常に効果がありますが、病気を根本から治すわけではなく、これを外して眠れば元に戻ってしまいます。

ですので、根本の原因となる肥満を解消するためにダイエットも同時にしていくことが大切です。

そのいびき要注意!睡眠時無呼吸症候群の5つの症状とその原因

3.過眠症

過眠症

夜よく眠れずに日中に支障出てしまうのが不眠症ですが、夜十分に寝たはずなのに日中に強烈な眠気に襲われてしまうのが過眠症です。

過眠症の代表的なものとしてナルコレプシー特発性過眠症があります。

① ナルコレプシー

別名『居眠り病』とも呼ばれ、日中に耐えがたいほどの強烈な睡魔に襲われ、一日に何度も居眠りを繰り返してしまうのが特徴です。

たとえ、大事な会議中であっても、入学試験の途中であろうと、人と会っているときであろうと自分の意思に関わらず突然眠り込んでしまいます。

ただ居眠りをしてしまう時間は1時間を超えることはほぼなく、10~20分程度で済みます。

目覚めたときはすっきりしていますが、また2、3時間たつと再び睡魔に襲われてしまいます。

ナルコレプシーの治療では、薬物治療と非薬物治療が行われます。

非薬物治療では、規則正しい生活の中で夜間には十分な睡眠をとること、そして、眠気を我慢するのではなく休憩時間に積極的に仮眠をとるようにするといった指導が行われます。

また、仕事や学校など通常の社会生活を過ごすため、症状を緩和する薬も処方されます。

近年の日本では、昼間の眠気対策として比較的副作用の少ないモダフィニルという薬が使われるようになってきています。

しかし、ナルコレプシーは根治が難しいといわれている病気です。

こういう病気があると知らなければ単純に居眠りをしている怠け者のように見えてしまうこともあります。

ですので、これらの治療だけでなく周囲の人がこうした病気があるということを理解し、適切な対応をとっていくことが求められます。

② 特発性過眠症

日中に眠気に襲われ居眠りをしてしまうという症状はナルコレプシーと同様ですが、居眠りをしてしまう時間が1時間から数時間と長く、すっきり目覚めることができずに酩酊睡眠というひどい寝ぼけの状態になってしまうのが特発性過眠症です。

この病気特有の治療法というものはなく、ナルコレプシーと同様にモダフィニルなどの精神刺激薬が使われています。

また、夜間の睡眠を改善するために睡眠導入剤を使用することもあります。

これらの過眠症にあてはまるかもしれないという方は、自分で過眠症かどうかをチェックできるエップワース眠気尺度という診断テストがありますので一度確認してみることをおすすめします。

こちらも下記ページで簡単に診断できますので気になる方はチェックしてみてください。

過眠症診断テストを受ける

7つの過眠症とその症状や診断法

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4.概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害

通常、私たちの体は太陽が上がった日中に起きて活動をし、太陽が沈んだ夜には眠くなるようにプログラムされています。

この睡眠や覚醒のリズムを決定しているのが体内時計です。

しかし、夜更かしが続いたり、交代勤務により日勤や夜勤を繰り返したりすると体内時計が狂ってしまうことがあります。

その結果、社会的に望ましい時間帯に起きていられなくなってしまうのが概日リズム睡眠障害です。

この概日リズム睡眠障害はその症状により大きく分けると以下の4つに分類することができます。

  • 睡眠相後退型:睡眠時間帯が遅くなる
  • 睡眠相前進型:睡眠時間帯が早くなる
  • 時差型:いわゆる時差ボケ
  • 交代勤務型:日勤と夜勤を繰り返すことによる睡眠リズムのズレ

このうち、時差型や交代勤務型では、眠気倦怠感食欲の変化便秘・下痢といった消化器系の症状があらわれることもあります。

こうした概日リズム障害は、体内時計の狂いが原因であるので、治療には体内時計を正常の時間帯に戻すことが必要となります。

最も効果的なのは、朝起きたときに太陽の光を浴びることです。

太陽の光を浴びることによって、睡眠・覚醒リズムを調節するメラトニンというホルモンが分泌され体内時計をリセットすることができます。

また、太陽の光以外にも人工的に強い光を浴びる高照度光療法やメラトニン、あるいはメラトニンに類似した効果を持つ睡眠薬が処方されることもあります。

朝起きられないのはなぜ?概日リズム睡眠障害の7つの分類とその治療法

5.睡眠時随伴症

眠っているはずなのに体が起きて異常な行動などをしてしまう睡眠障害を睡眠時随伴症といいます。

睡眠時随伴症には大きく分けて深い眠りであるノンレム睡眠時に起こるものと浅い眠りであるレム睡眠時に起こるもの2種類があります。

①ノンレム睡眠時に起こる睡眠時随伴症(睡眠時遊行症)

ノンレム睡眠中に起きる睡眠時随伴症の代表的な例が睡眠時遊行症(夢遊病)です。

睡眠時遊行症の場合、睡眠中であるのにもかかわらず寝床から起き上がって家の中をうろうろしたり、階段を上り下りしたり、ときには食事をしたり電話をしたりと日常の活動をすることもあります。

深い眠りであるノンレム睡眠中の出来事なので家族などから声をかけられても完全に覚醒させることは困難です。

ただ、睡眠時遊行症は脳が未発達である子供に起こるとされており、成長するにしたがってほとんどの場合自然に治癒します。

この睡眠時遊行症のほかに、睡眠中に突然大きな声を出したり、泣きわめいたり、走り回ったりしてしまう睡眠時驚愕症(夜驚症)や、睡眠時にトイレ以外の場所で排尿してしまう睡眠時遺尿症(夜尿症)などがあります。

② レム睡眠時の起こる睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害)

浅い眠りであるレム睡眠時に起こるものとしては、レム睡眠行動障害があります。

症状としては、大声で喚いたり、脚をバタバタさせたり、ときには歩き回って家具やガラス窓に衝突するといった暴力的な行動をすることが挙げられます。

ノンレム睡眠と違いレム睡眠中は夢を見ているので、そのの中の行動が実際の体の動きにあらわれてしまうのです。

睡眠時遊行症が子供に多く見られるのに対して、レム睡眠行動障害は中年の男性に比較的多くみられます。

治療法としては、主に薬物治療が行われます。

この症状は夢が暴力的であればあるほど異常行動の激しさが増してしまうので、怖い夢を見ないように夢の質を和らげるような薬を処方します。

多くの場合、抗てんかん薬であるクロナゼパムが処方されますが、薬によって約8割の人がほぼ完治するか異常行動の頻度が減少します。

その寝ぼけ病気かも?睡眠時随伴症の7つの症状と対処法

6.むずむず脚症候群

むずむず脚症候群とは、寝床に横になると脚にむずむずした不快感が生じ、寝付けなくなってしまう病気です。

症状が進行すると、針で刺されるような激しい痛みや、脚にとどまらずお腹背中にまで不快感が広がることもあります。

原因としては、神経伝達物質であるドーパミンの機能低下や鉄分の不足による代謝異常慢性腎不全妊娠との関連などが考えられていますが、いまだ十分に解明されていないのが実情です。

これまではこれといった治療法がなく、入浴やストレッチ、マッサージなどでしか対処できなかったのですが、2010年に新たに認可されたパーキンソン病の治療薬であるプラミペキソールが治療に大きな効果をもたらすようになりました。

むずむずして眠れない!むずむず脚症候群の症状とその対処法7選

まとめ:不安があれば迷わず専門医に相談しましょう

以上、6つの種類の睡眠障害とその症状について紹介してきました。

睡眠障害といっても様々な症状があり、ものによっては命に関わったり、家族や周りの人が被害を被ったりすることもあります。

これらの症状に少しでもあてはまりそうだと思った場合は迷わず専門医に相談しましょう。

どこの病院に行くべきかわからないという場合は、日本睡眠学会という専門機関が睡眠医療認定医をHPにてリストアップしていますのでそちらを確認してみてください。

睡眠医療認定医リスト(日本睡眠学会)







参考:
・不眠の悩みを解消する本 三島和夫
・眠れないあなたに 睡眠科による不眠の医療 塩見利明
・今度こそ「快眠」できる12の方法
・睡眠障害のなぞを解く 櫻井武

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