不眠症

何科を受診?不眠症の病院における3つの治療法

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不眠症治療

現在、日本の成人のうち、三人に一人が何らかの不眠症状を抱えているといわれています。

しかし、ある調査では不眠の症状に悩む人の約6割が治療のために医師に相談したことがないということがわかっています。(※)

※不眠症治療に関する意識と実態 MSD株式会社

日本では、不眠症の治療のために病院に行くことはあまり浸透していないというのが実情です。

自分の力で治すことができればそれに越したことはありませんが、そう簡単にもいかないのが不眠症です。

眠るために、生活習慣を変えたり、寝具を取り換えてみたりしたものの一向に治る気配がないと不安になっている方も多いのではないでしょうか。

そのような場合は、無理をせず病院へ行き医師に相談することをおすすめします。

ただ、不眠症の病院というと、どの病院に行けばいいのか、どんな治療をするのか一般の方にはなじみのないことだと思います。

そこで、本気で不眠症を治したいと思う方のために、病院における不眠症の治療についてご紹介していきます。







1. 不眠症は何科を受診?

まず、不眠症の治療のためには何科の病院に行くべきかどうかについてですが、一般的には、精神科心療内科になります。

ただ、精神科と聞くと正直なところ心の問題を扱うところなので敷居が高いと感じる方もいると思います。

もし、『いきなり精神科にいくのはちょっと・・・』と思われる場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。

そこで、生活習慣へのアドバイスや場合によっては睡眠薬も処方することができます。

肝心なことは自分で抱え込みすぎず、悩みを相談することです。

不眠症は、ストレスや不安といった心の問題が原因の一つでもありますので、悩みを打ち明けて精神的負担を軽減することが症状の改善に役立つことも大いにあります。

ただ、それでも快方に向かわない場合は、専門医のいる病院を紹介してもらうようにしましょう。

また、症状が重い場合は、精密な検査が必要なこともあります。

その場合は、睡眠障害を専門とする睡眠医療認定医に相談してみましょう。

これらの医療機関は、日本睡眠学会のHPで調べることができますので下のページから確認してみてください。

睡眠医療認定医リスト(日本睡眠学会)

2.不眠症の治療

では、いったい病院ではどんな治療をするのでしょうか。

不眠症の治療というと真っ先に睡眠薬が浮かんでくる方も多いと思います。

たしかに睡眠薬を使用することが多いのは事実ですがそれだけではありません。

診断・治療の流れを順番に見ていきましょう。

① 問診による症状や原因の把握

不眠症の症状や原因は、人によってさまざまあります。

症状としては寝つきが悪い人、早く起きてしまう人など、原因としてはストレスといった心理的なものから、生活リズムの乱れなど千差万別の状況があります。

こうした患者さんの個人個人の状況を正確に把握し、本当に治療が必要かどうかを問診などによって判断します。

icon-check-circle-o 不眠の状況を知る

  • いつ頃から眠れなくなったか。
  • 眠れなくなった原因に心当たりはないか。
  • 眠るまでにどのくらいの時間がかかるか。

icon-check-circle-o 不眠のタイプを探る

  • 寝付くまでにどのくらいの時間がかかるか。
  • 夜中に何度も起きることがあるか。そのあとにすぐ眠れるか。
  • 朝、起きようと思った時間よりやたらと早く起きてしまうことはないか。
  • よく眠ったという熟睡感はあるか。

icon-check-circle-o 不眠の原因を探る

  • 腫瘍や心疾患、発熱などはあるか。
  • 昼夜逆転の生活はしていないか。
  • 精神的ストレス・不安・悩みなどはないか。
  • 現在、何かの病気の治療のために薬を飲んでいないか。また、飲酒や喫煙をどのくらいしているか。

また、これらの問診でも判断が難しい場合、補助診断として睡眠ポリグラフ検査という検査を行う場合があります。

睡眠ポリグラフ検査とは、頭、鼻、目の周囲などに小さなセンサーを貼り付けて、睡眠時の脳波図・心電図・筋肉の動きなどを同時に記録できる検査です。

※この検査は、特別な機器が必要なため備え付けている専門医療機関に限られます。

② 生活指導(睡眠衛生)

症状や原因を把握した後には、まず最初に質の良い睡眠を確保するために生活習慣や睡眠習慣を改善してもらうよう指導を行います。

具体的には、適正な生活リズムを保つ、寝室の睡眠環境を整える、飲酒や喫煙に注意を払うなどといった身近な生活の送り方についての指導です。

これらの生活習慣の指導によって症状が改善しない場合は、次の③薬物療法や薬を使わない④認知行動療法が行われることになります。

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③ 薬物療法

水の入ったグラスと薬

不眠症の治療に用いられる睡眠薬にはたくさんの種類があります。

この中から主に不眠の症状のタイプに合った薬が処方されることになります。

例えば、寝つきが悪いタイプの不眠症であれば服用からすぐに効果がある短時間型の薬を、夜中に目が覚めたり朝早く起きすぎてしまう人には効き目が12時間以上持続する長時間型の薬をといったふうにタイプ別で処方していきます。

睡眠薬というと、副作用や依存性などあまり好ましくないイメージがあるのが正直なところだと思います。しかし、それはすでに昔の話です。

現在の睡眠薬は、依存性や副作用が少ない薬剤が主に使われていますので、適正に服用すれば安全な薬となっています。

服用する前に理解するべき睡眠薬の種類とその強さについて

④ 認知行動療法

ベッドルーム

睡眠薬と同時に可能であれば、薬を使用しない認知行動療法が行われます。

認知行動療法とは、睡眠に対する考え方や取り組み方を修正することで不眠を解消する治療法です。

薬を使わないため副作用の心配はなく、高齢者でも行うことができる点がこの治療法のメリットです。

この認知行動療法は細かく分けると以下のようなことを行います。

刺激コントロール療法

不眠の症状に悩まされると、寝室に入り眠りにつくこと自体がストレスとなってしまうことがあります。

こうしたいわゆる不眠恐怖と呼ばれる状態になってしまった人の眠りへの入り方を見直していくのが刺激コントロール療法です。

具体的には、以下のような指導が行われます。

  • 入眠儀式をつくる。
  • 快適で落ち着ける寝室をつくる。
  • 布団やベッドは眠る時だけ使う。
  • 本当に眠くなってから布団に入る。
  • 布団に入っても眠れなければいったん布団から出て別のことをする。
  • 起床時間は一定にする。
  • 昼寝をしない。

睡眠制御療法

睡眠制御療法とは、簡単に言えば眠れないなら眠くなるまで睡眠時間を制限(減ら)してしまおうという治療法です。

不眠に悩むときは、眠れないのに布団に入り悶々と過ごしてしまう場合が多いです。

これが続くと不眠恐怖を引き起こし、さらに眠れなくなるという悪循環に陥ってしまうので、睡眠時間を先に計算し、眠くなる時間分しか布団に入って寝ないようにします。

具体的には、以下のような指導が行われます。

  1. まず起床時間は一定にすること、昼寝はしないという前提条件のもと、
  2. 平均睡眠時間を決め、
  3. そこからベッドにいる時間を決めます。
  4. これに従って実際に眠りについたとき、ベッドにいる時間の90%以上が眠れていればベッドにいる時間を伸ばし、
  5. 逆に80%以下しか眠れていなければベッドにいる時間を短くします。

こうすることによってベッドに入ってからすぐ眠ることを習慣化させていきます。

自律訓練法・筋弛緩法

眠る時に体や精神に緊張が残っていればなかなか寝付くことはできません。

これを解消するためには十分にリラックスさせることが必要です。

そこで、行われるのが自律訓練法筋弛緩法といったリラクゼーション法です。

自律訓練法は、自己暗示によって身体の緊張を解きほぐす手法で、筋弛緩法は実際に身体の各部位に力を入れ、そして、力を抜くという動作を繰り返すことによってリラックスさせる手法です。

※細かいやり方は下記記事をご覧ください。

自律訓練法・筋弛緩法のやり方

⑤ 維持療法・休薬トライアル

これらの方法により、不眠症の症状が改善した場合、服用する睡眠薬の量や回数を徐々に減らしていき、最終的には服用をやめることができるように取り組んでいきます。

睡眠薬をやめるためには、以下の4つの条件が必要なります。

  • 不眠の症状とその苦痛がなくなったこと
  • 不眠への恐怖心がなくなったこと
  • 気持ちに余裕ができたこと
  • 睡眠薬を減らすことに不安がないこと

これらの条件を満たさず、不眠症が十分に治らないうちに睡眠薬を止めてしまうと、不眠症が再発したり、悪化したりすることがあるので、休薬には十分な期間をかけて行っていきます。

その後、問題なく薬をやめることができれば晴れて治療完了となります。

以上が、不眠症治療の一般的な流れとなります。

まとめ:無理をせず早めに相談しましょう。

これまで不眠症の病院での治療について説明してきましたがいかがでしたでしょうか。

最初に述べたように日本ではいまだ不眠症の病院での治療は浸透しているとはいいがたいのが実情です。

しかし、不眠症を治すには自分の力だけではどうしようもないことが多々あります。

最近では、薬も進歩し、また、非薬物療法である認知行動療法を行う医療機関も増えてきており、病院での治療体制は整ってきています。

一人で無理をせず、辛いときは病院に行くという選択肢も心にとどめていてほしいと思います。

不眠症の4つの症状と5つの原因
薬なし!自分でできる不眠症を解消する方法12選
服用する前に理解するべき睡眠薬の種類とその強さについて







参考:
・好きになる睡眠医学 内田直
・眠れないあなたに 睡眠科による不眠の医療 塩見利明
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