不眠を起こす病気

何科を受診するべき?うつ病の病院での診断とその診断基準

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病院のロビー

前回の記事icon-external-link では、うつ病の主な症状やその原因についてご紹介してきました。

抑うつ感や食欲低下、不眠などうつ病特有の症状があらわれ、それが続く場合には病院での診断を受け治療を進めていくことが必要となります。

うつ病も他の病気と同様に早期に発見し、治療していくことが症状を回復させるためには非常に重要となります。

今回は、このための病院でのうつ病の診断についてご紹介していきます。







1.何科を受診するのか

うつ病の疑いがある場合には、一般的にはこれを専門としている精神科を受診することになります。

うつ病というと心療内科も浮かびますが、心療内科は内科という文字が入っている通り、基本的には胃潰瘍や喘息といった精神的なストレスによる身体疾患が専門となります。

ただ、精神科という名だと避けられることもあるため精神科医があえて精神科とともに心療内科という名を並べていることもあります。

ですので、うつ病の診断で心療内科を受診する際は、念のため事前にうつ病を扱っているかどうかを電話などで確認しておくことをおすすめします。

また、病院を選ぶ上で注意していただきたいのは自宅から病院までの距離です。

うつ病と診断され治療が始まると最初の内は1、2週間ごとに通院が必要となります。

そのため自宅からあまりに遠い距離にある病院の場合、通院自体が大きな負担となりかねません。

症状がひどい場合は、電車やバスにも乗れず車で通院せざるを得ないこともありますし、睡眠薬などを服用していれば本人が車を運転することはできません。

病気が病気なだけに有名な病院、有名な医師という視点で選ぶことも重要ですが、本人とともに同行する家族の負担も考えてできるだけ通いやすい病院を選ぶことも同じくらい大切です。

2.うつ病の診断

病院におけるうつ病の診断といっても、他の病気と大きく変わるわけではありません。

基本的には医師による問診を中心として診断が行われます。

①問診の前の検査

通常まず医師による問診の前に、今困っている症状やストレスの原因、これまでの病歴、飲んでいる薬、生活スタイルなどを病院ごとに定められた問診票に記入します。

病院によっては問診票の記入とともに看護師が事前に面談をして詳しく事情を聴くこともあります。

また、問診の前に血液検査尿検査血圧検査などを行う場合もあります。

これは、うつ症状が他の病気などが原因となって生じている可能性がありますのでそれを確かめるためです。

具体的には脳腫瘍脳梗塞心筋梗塞がん糖尿病などによってもうつ症状が起こることがあるので、これらの病気ではないかどうかを確認します。

②問診と診断基準

高血圧症であれば血圧を測定したり、糖尿病であれば血糖値を測定したりと身体の病気であれば理学的な検査を行うことでその病気かどうかを診断することができます。

しかし、心の病気であるうつ病ではそのような検査で診断することはできません。

そのため、医師と患者さんが直接会って話す問診が診断の上で大変重要となります。

問診では、既に問診票でも書いたような症状やその始まった時期、ストレスの原因などを詳しく聴かれます。

この時、医師はその答えた内容はもちろん話す患者さんのやその大きさ表情姿勢などにも注視しています。

これらの問診によって得た情報でうつ病かどうかを診断していきますが、現在うつ病の診断の基本となっているのはアメリカ精神医学会が定めたDSM‐Ⅳという診断基準です。

DSM‐Ⅳの具体的な項目は以下の通りです。

下記の①と②のどちらかを含む5つ以上の症状が、毎日のように2週間以上続いていて、これに苦痛を感じている、あるいは、日常生活に支障をきたしていることがうつ病の診断に必要となります。

うつ病の診断基準(DSM-Ⅳ)
①ほとんど毎日強い憂うつ感、気分の落ち込み、悲しみを感じる
②ほとんど毎日何も楽しいと感じることができず、興味や喜びが沸かない
③著しい食欲低下や体重の減少がある
④不眠がある
⑤イライラや焦りを感じたり、動作や話し方がひどく遅くなる
⑥ひどく疲れやすく、だるさがとれない
⑦自分を役立たずだと思ったり、自分を責めてばかりいる
⑧思考力・集中力が低下し、物事を判断できない
⑨自殺について考えたり、口にしたりすることがある

③問診の際に注意すること

このような流れでうつ病かどうかを診断していくことになりますが、受診の際には注意していただきたいことが2つあります。

icon-check-circle-o事前に話す内容を整理しておく

病院によって初診時の診察時間は変わってはきますが、医師も一日に多くの患者さんの対応をしなければならないため基本的には一人の診察に長時間を費やすことはできません

ですので、症状や困っていること、気になることなど話をする内容は事前に整理しておいてから問診に入った方が診察がうまく進みます。

特に初診の場合は、仕事のことやストレスの原因などを一から話さないといけないためどうしても説明が長くなってしまいます。

また、ストレスの原因となる出来事や症状を振り返り言葉に表すのは精神的にも大きな負担となります。

言葉が詰まったり、時には涙が出てしゃべれなくなってしまうこともあります。

ですので、問診の前に家族と相談しておくメモを取っておくといったことをしておくと心の整理もつき、より効果的に医師に状況を伝えることができます。

icon-check-circle-o家族が必ず同伴する

特に初診の際に気を付けたいことは、できるだけ一人で受診せず家族やパートナーなどと一緒に診察を受けることです。

普段のことを知っている第三者がいれば客観的な情報を伝えることができますし、患者さんがうまくしゃべれないこともカバーすることもできます。

なにより今後治療が始まれば家族の助けは必ず必要となります。

その家族がどんな診断を受けたか、そしてどんな治療が行われるかを把握しなければ今後の対応に支障が出てしまいます。

ですので、できるだけ都合を合わせてご家族と本人が一緒に診察を受けることをおすすめします。

まとめ

以上、うつ病の病院での診断についてご紹介してきました。

文中でも触れましたが、うつ病の診断には患者さんがこれまで何をしてきて、何を感じてきたかを第三者である医師に説明しなければならず、これらを話すだけでも非常につらいものがあります。

これを一人でこなそうとすると患者さんの負担は大きくかかってしまいます。

もちろん治療を行っていくのは患者さん本人ですが、ご家族の方も診断の段階からできるだけ同伴し協力することで、患者さんの負担を少しでも減らしてあげることが早期に回復するためには大切なことであると思います。

次回の記事では、うつ病の診断を受けた後の実際に行われる治療についてご紹介していきます。

うつ病の薬物治療における5つの薬と治療中の過ごし方

抑うつ感、不眠など誰もが知っておくべきうつ病の主な症状と原因
薬を使わないうつ病治療、認知行動療法と修正型電気けいれん療法について










参考:
・57の症例で見つかる、うつ病の抜け出し方 確実に治るうつ、治らないうつ 森下茂
・うつ病 正しく知って治す 総監修 野村総一郎
・よくわかるうつ病 診断と治療 周囲の接し方・支え方 尾崎紀夫
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