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食生活の改善が第一!副腎疲労症候群の治療と自分でできる5つの対策

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健康的な朝食

前回の記事icon-external-link では、副腎疲労症候群の主な症状やその検査法について説明してきました。

これらの症状がみられ、検査でも副腎が疲労していることが分かった場合には、治療が行われていくこととなります。

しかし、副腎の疲労を回復させていくためには病院で行われる治療だけでなく生活習慣を整えていくことも非常に大切です。

今回は、この副腎疲労症候群の病院での治療と自分でできる対策についてご紹介していきます。







1.副腎疲労症候群の治療

サプリメント

副腎疲労症候群は、過剰なストレスを受け副腎が疲弊してしまうことによって通常の機能が果たせなくなることで生じる病気です。

そのため、治療には副腎の負担をできるだけ減らして休ませてあげることが必要となります。

この副腎の負担を減らす主な治療法は、副腎エキスの補充ナチュラルホルモンの補充、そして栄養療法の3つです。

①副腎エキスの補充

ストレスに対応しすぎて疲弊した副腎は、組織がダメージを受けてボロボロになってしまっています。この副腎自体の損傷を修復するために行われるのが副腎エキスの補充です。

副腎エキスとは、ホルモン除去処理がされた豚由来のサプリメントで、副腎を構成していた成分を取り入れることで副腎の組織を修復させることができます。

副腎は、コルチゾールをはじめとしたさまざまなホルモンをつくり分泌する、いわばホルモンの工場です。

副腎が疲労するとこの工場自体が壊れてしまっているので、副腎エキスを補充することで工場を治し、ホルモンの生産を促します。

②ナチュラルホルモンの補充

コルチゾールなどの副腎から分泌されるホルモンは、肝臓でつくられるコレステロールを何段階も変化させることで様々なホルモンとして分泌されます。

ナチュラルホルモンの補充は、コレステロールからつくった初期の段階のホルモン、つまり、ホルモンの原料を補充することで副腎の負担を軽減し休ませてあげるために行われます。

実際に補充されるのはコレステロールから最初につくられるプレグネノロンというホルモンです。副腎から分泌されるホルモンのもととなるホルモンであるためグランドマザーホルモンとも呼ばれています。

副腎が疲労している場合は、ホルモンの大元であるコレステロールをつくる肝臓も機能が低下してしまいます。そこで、このプレグネノロンを補充することで副腎だけでなく肝臓の負担も軽減することができます。

また、プレグネノロンとともに副腎を休ませるために補充されるのがDHEAというホルモンです。

男性ホルモンや女性ホルモンといった性ホルモンも副腎で生成されますが、これらのもととなるのがDHEAです。そのためマザーホルモンとも呼ばれています。

※DHEAはプレグネノロンからつくられるので、前者がマザー、後者がグランドマザーと区別されています。

ホルモンの生成経路

DHEAは細胞が酸化して損傷してしまうのを防ぐ抗酸化物質としての働きがあるだけでなく免疫脂質代謝など身体を維持する様々な機能に関わっています。

そのためDHEAを補充することによって性ホルモンをつくるという副腎の負担を軽減させるとともに、免疫力の低下内臓脂肪の増加を防ぐ効果も期待できます。

このプレグネノロンやDHEAのほかにも、必要に応じて甲状腺ホルモンや男性ホルモンであるテストステロン、女性ホルモンであるプロゲステロンが補充されることもあります。

③栄養療法

ストレスに対応するコルチゾールをつくり分泌するためには、元となるホルモンだけでなく様々な栄養素も必要になります。

コルチゾールをつくる副腎が工場、ホルモン補充により補てんされるのがコルチゾールの原材料であるならば栄養素はいわば労働力です。

コルチゾールを正常通り分泌させるにはこの労働力である栄養素の補充も欠かせません。

副腎の疲労を回復させるためには、一つの栄養素があれば十分ということはなく様々な栄養をバランスよく補充していかねばなりません。

具体的には、疲労を回復させるマグネシウム、ストレス耐性を高めるカルシウム、亜鉛やクロムといった微量ミネラル、コルチゾールのもととなるビタミンC、ほかにもビタミンEB群といった様々な栄養素が必要となります。

これらを医師が患者さんごとにどの種類がどの程度不足しているかをチェックして、サプリメントとして処方し補充していきます。

2.副腎疲労症候群の自分でできる対策

NGな食事

これまでホルモン補充などの病院で行われる治療について詳しく見てきました。

しかし、副腎疲労症候群を改善させるためにできることは病院での治療だけではありません。

副腎の疲労を取り除くには生活習慣を整えていくことも非常に重要な対策となります。

病院での治療に栄養療法があるように、この生活習慣の中でも食生活の改善は特に効果的です。

なぜ食生活の改善が効果的かというと、副腎の負担を減らすことでできるのはもちろんのこと、小腸の環境を整えることができるからです。

ここで初めて小腸が出てきましたが、実は副腎疲労の改善と小腸は大きく関係していて小腸の環境を整えることは副腎の疲労回復につながります。

これは副腎の機能を回復させるために必要な栄養素を吸収するのは小腸であること、そして、副腎が疲労している場合は非常に高い確率で小腸が炎症を起こしており、これを抑えるためにさらにコルチゾールを必要としてしまうからです。

症状が軽症である場合には、食生活を改善し小腸の環境を整えるだけで治ってしまうことも多々あります。

副腎疲労の症状で悩んでいる場合は、以下で具体的な方法をご紹介していきますのでぜひ実践してみてください。

①グルテンフリーを心がける

小腸の環境を整えるためにまず考えなければならないのが、腸内の菌を増やさないことです。特に女性ではご存じな方も多いであろうカンジタ菌に気を付けなければなりません。

健康な人の小腸にも微量ながらカンジタ菌は存在していますが、増えてしまうと身体はこれを異物と認識して退治しようと攻撃します。

その際、菌だけを攻撃できればいいのですが、そうもいかず同時に腸内に炎症を起こしてしまいます。これを抑えるために大量のコルチゾールが必要となります。

大量のコルチゾールを分泌すれば当然副腎は疲労します。そのため副腎を回復させるにはカンジタ菌を増殖させないことが第一となります。

カンジタ菌の増殖を防ぐには、エサを断つ兵糧攻めが有効です。カンジタ菌がエサとするのは糖分炭水化物ですが、その中でも小麦粉に含まれるグルテンを特に好みます。

そのため副腎疲労症候群を改善させるためには、グルテンフリーの食生活を送ることが大いに効きます。食生活をグルテンフリーに変えただけで治ってしまった人もいるくらい効果があります。

このグルテンが含まれているのはパンやパン粉を使った揚げ物ラーメンうどんなどです。

ですので、まず第一にできる対策はこれらの食品を控えることです。

ここでパンやラーメンがダメならご飯はいいのかという疑問がわきますが、この点に関しても注意が必要です。

当然ご飯も炭水化物なのでカンジタ菌の餌となりますし、なにより血糖値を急激に上げてしまいます。血糖値が上昇すると、これを調節しているコルチゾールの分泌も多くなり副腎の負担が増えてしまいます。

そもそも日本の食卓では、パンやご飯など必ず炭水化物の主食を食べるのが習慣となっていますが、これは世界的にも珍しく、健康面からも必ずしも毎食食べる必要はありません。

ただ、炭水化物も身体に必要な栄養素なので、三食全てご飯を食べることはやめる、あるいは、多食は控えるなどして適度に摂取するようにしましょう。

②オメガ3系の油をとる

副腎が疲労している場合、先ほど触れたカンジタ菌をはじめ様々な理由により腸に炎症を起こしています。

この腸の炎症を抑えるためにはオメガ3系と呼ばれる油が非常に有効です。

オメガ3系とは、魚の脂亜麻仁油えごま油しそ油などの不飽和脂肪酸の一種で、これらの油には腸の炎症を抑えて腸を癒す効果があります。

また、そもそもコルチゾールは脂肪の一種であるコレステロールを原料としているので油から脂質をとることは副腎のケアにもつながります。

ただオメガ3系の油は加熱すると効果が減少してしまうので、ドレッシングとして使ったり野菜ジュースなどに混ぜたりして摂取するようにしましょう。

③コーヒーを控える

朝起きたとき、仕事中などにコーヒーを飲む習慣のある方は多くいると思いますが、コーヒーは副腎疲労を悪化させるNGな飲み物です。

コーヒーに含まれるカフェインは、副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促す効果がありますが、これは一時的なもので数時間後には元に戻ってしまいます。

このようにコルチゾールの分泌量が急激に増減するとその分副腎に多大な負担を与えてしまいます。

ですので、コーヒーは控えるのが得策ですが、これまで飲む習慣があった人が急にやめてしまうのもかえって負担増になってしまうので、飲む回数や量を徐々に減らしていくようにしましょう。

④ビールを控える

コーヒーとともに控えるべきものとしてはビールが挙げられます。

ビールは血糖値を急激に上げる作用があるので、これを調節するためコルチゾールが大量に分泌されてしまいます。

ですので、ビールは副腎を回復させるためには控えるべきですが、お酒が飲めないことによってストレスがたまってしまうことも副腎にとってはよくありません。

もしお酒を飲むのであればビールではなく糖質を含まない焼酎ジンウォッカなどの蒸留酒を飲むようにしましょう。

もちろんこれらのお酒でも飲みすぎれば肝臓に負担を与え、これに伴い副腎にも影響を与えてしまうので適量に抑えるようにしてください。

⑤空腹に近い状態で眠る

身体と同様に副腎を休ませるには十分な睡眠をとることが何よりも効きます。

ただ眠る時に気を付けなければならないのが満腹なままで眠らないことです。

お腹いっぱいの状態で眠りにつくと、眠っている間でも消化のために胃腸が働き続けてしまい、これに伴いコルチゾールも分泌されてしまいますし、睡眠の質も悪くなります。

ですので、夕食は早めに済ませてできるだけ空腹に近い状態で眠りにつくようにしましょう。

これらのほかにも栄養療法のところで述べたビタミン、マグネシウム、カルシウムなど副腎疲労に効果的な栄養素を含む食材をとることも自分でできる大切な対策となります。

まとめ:完璧主義をやめよう

以上、副腎疲労症候群の病院での治療法と自分でできる対策についてご紹介してきました。

副腎疲労を改善させていく上で大切なことはあまりに完璧を求めすぎないことです。

これまで述べてきたように自分でできる対策は何かを禁止することばかりですが、これらを100%禁止すれば当然精神的なストレスとなり、かえって副腎に悪影響を与えてしまうこともあります。

パンなどの炭水化物もビールなどのお酒も完全に断たなければならないものではなく、たまにストレス解消としてならば当然摂取しても大丈夫です。

100%ではなく60%ぐらいを目標として、自分でもきちんと継続できる範囲で頑張ることが副腎疲労を治していく一番の得策です。

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参考:
・自分で治す!副腎疲労 本間良子 本間龍介
・副腎疲労症候群 藤森徹也
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