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血糖値とHbA1cの数値は?糖尿病とその合併症のための検査

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血液検査の結果

前回の記事icon-external-link では、糖尿病の症状や合併症について詳しくみてきました。

糖尿病は初期の段階では自覚症状はなく、職場や地域の健康診断で血糖値が高いことがわかって初めて糖尿病の疑いに気づくことが大半です。

こうした場合には早期に病院で正確な検査・診断を受けることが早期治療に役立ちます。

今回は、この糖尿病の病院における検査方法についてご紹介していきます。







1.糖尿病の検査・治療は何科を受診するのか

そもそも糖尿病の疑いがある時には何科を受診すればよいのでしょうか。

基本的には内科内分泌代謝内科で糖尿病を扱っているのでこれらがある病院を受診することになります。

また、最近では糖尿病内科糖尿病外来といった専門の科を設ける病院も多くありますのでこれらも選択肢の一つになります。

自分の住んでいる地域の糖尿病専門医がいる病院がわからないという場合には、糖尿病ネットワークというサイトから地域ごとで検索できますので参考にしてみてください。

icon-external-link 糖尿病患者さんの医療機関リスト(糖尿病ネットワーク)

また、糖尿病医療の専門性があるかの判断基準として、日本糖尿病学会が認定している糖尿病専門医がいるかどうかも目安となります。

こちらも以下のサイトから都道府県別に検索できるので試してみてください。

icon-external-link 専門医を探す(日本糖尿病学会)

2.血糖値検査

それでは、病院における糖尿病の検査方法の説明に入っていきます。

糖尿病かどうかの診断を下すにはやはり採血による血糖値の検査が重要となります。

血糖値が一時的ではなく慢性的に高い状態が続いているかどうかを検査により判定していきます。

そのため初回の血糖値検査だけでなく別の日に行った再検査でも高血糖の結果が出た場合には糖尿病として診断されます。

この血糖値検査には大きく2種類あり、空腹時に測定する空腹時血糖値と食事に関係なく測定する随時血糖値があります。

糖尿病の診断にかかる血糖値の具体的な数値は以下の通りになります。

血糖値検査

糖尿病治療ガイド2016-2017(抜粋)[一般社団法人 日本糖尿病学会]より筆者が作成
※クリックすると拡大できるようになります。

上の表にある通り、空腹時血糖値が126mg/dl以上、または、随時血糖値が200mg/dl以上のとき糖尿病型であると判定されます。

反対に空腹時が110mg/dl未満で、かつ、随時が140mg/dl未満の場合は正常型とされ、このどちらにも属さない場合は糖尿病予備軍である境界型と判定されます。

なお、注意が必要なのはこの数値を超えたとしてもその判定はあくまで糖尿病『型』であり、糖尿病の確定診断ではありません

さきほど述べたように初回だけでなく再検査の際にもこの糖尿病型と判定された場合に糖尿病であるという診断が下されます。

3.HbA1c検査

糖尿病の診断ではこれらの空腹時血糖値や随時血糖値のほかにHbA1c(エイチビーエーワンシー)検査も行われます。

この検査では、血糖値が一時的ではなく持続的に高いかどうかを見ることができます。

血液中の赤血球にはヘモグロビンというたんぱく質が含まれていますが、ヘモグロビンはブドウ糖と接触すると結合してグリコヘモグロビンとなります。

ですので、血中のブドウ糖が多い場合はこのグリコヘモグロビンが増えることになります。

このグリコヘモグロビンがHbA1cです。

これを含む赤血球の寿命はおよそ120日であり、グリコヘモグロビンもこの寿命に沿ってなくなります。

その割合の変動を見ることで、直近1,2か月の血糖値の状態が測定できるというわけです。

正常な人の場合、このHbA1cの数値は4~6%ほどですが、これが6.5%以上になると糖尿病型と判定されます。

4.糖尿病の診断

先ほど血糖値検査では2回糖尿病型と判定されると糖尿病の診断が下されると書きましたが、初回で血糖値もHbA1cも両方糖尿病型であればその時点で糖尿病と診断されます。

また、初回は血糖値だけ再検査はHbA1cだけ糖尿病型、あるいはその逆のばあいでも糖尿病と診断されます。

さらに、初回において血糖値だけ糖尿病型の判定となっていても糖尿病の典型的な症状や合併症である網膜症がある場合にも糖尿病の診断が下されます。

文章だと少々わかりづらいので下の図をご覧ください。

糖尿病の検査

血糖値とHbA1cの横の○×は○であれば糖尿病型、それ以外は×を示しています。

初回でも再検査でも最低どちらか一方で血糖値検査の判定が糖尿病型であることが糖尿病診断の条件になります。

ですので、両方の検査でHbA1cのみが糖尿病型であっても糖尿病の疑いにとどまります。

5.経口ブドウ糖負荷試験

糖尿病の診断には基本的にこの血糖値検査とHbA1c検査の2つの検査が行われますが、数値が糖尿病型ではなく糖尿病予備軍である境界型に属する場合、ブドウ糖負荷後2時間血糖値という数値を測る検査が行われることもあります。

この検査は朝食を抜いた空腹な状態で採血をし、その後75gのブドウ糖が含まれたジュースを飲みます。

そして、そこから30分後、1時間後、2時間後でも採血をして血糖値を測ります。

この検査は食事で摂取したブドウ糖の処理能力をみるもので、測定された数値が200mg/dl以上であれば糖尿病型と判定されることになります。

6.合併症の検査

これらの検査で糖尿病であると診断された場合、これだけで終わらず合併症があるかどうか、またはその進行度を調べる検査も行われます。

①神経障害のための検査

糖尿病による合併症で最も起こりやすい神経障害がないかどうかを調べるために、振動を感じる感覚である振動覚を調べる検査やアキレス腱の反射を調べるための腱検査が行われます。

画像引用:メディマグ.糖尿病

また、細菌感染による足の壊疽を予防するために、医師が足の甲の動脈に直接触れて足の血流をチェックすることもあります。

②網膜症のための検査

失明する恐れもある網膜症を早期発見するには眼底検査が必要になります。

眼底とは、眼球の底(奥)にある組織のことで網膜や脈絡膜、硝子体などのことをいいます。

眼球内部

眼底検査とはこの眼底を眼底カメラや眼底鏡という器具で調べる検査です。

場合によっては、蛍光色素を持つ造影剤を静脈注射して撮影する蛍光眼底造影検査を行うこともあります。

③腎症のための検査

腎不全を引き起こす原因ともなる腎症を防ぐためには尿検査を行わなければなりません。

腎症の尿検査ではアルブミンというたんぱく質が含まれていないかどうかを確かめます。

腎症の進行は高血圧とも大きく関わっているため、血圧の測定やコントロールも必要となってきます。

④大血管障害のための検査

脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすこともある大血管障害を予防するためには、動脈硬化を正確に調べることができる頸動脈エコー検査が行われます。

エコーによって頸動脈の内壁に蓄積しているプラークがないかどうかを調べます。

ほかにもCTMRI検査が行われることもあります。

まとめ:健康診断は必ず受けましょう

以上、血糖値などの糖尿病を診断するための検査について詳しく見てきました。

糖尿病は重症化すれば、失明や脚の切断、そして死にも至る危険な病気です。そして、怖いのが誰にでも糖尿病になる可能性があるところです。

これを早い段階で発見し、治療を行っていくためには定期的な健康診断が欠かせません。

会社に勤めている方はまず受け忘れるということは少ないと思いますが、主婦の方、自営業の方などは自分から受けなければならないのでどうしても見逃しがちです。

糖尿病になってしまえば食事制限などこれまでの生活を大きく変えていくことを余儀なくされます。

こうした処置をとらなくても済むよう自分の健康は自分で管理するという意識をもつことが非常に大切です。

次回の記事では、糖尿病の診断が下った後の実際に行われる治療法についてご紹介していきます。

食品交換表とは?糖尿病治療の第一歩、食事療法と運動療法

合併症に要注意!糖尿病の種類とその主な症状
新薬の効果は?糖尿病の最新治療における薬物療法

参考:
・よくわかる最新医学 糖尿病最新治療・最新薬 鈴木吉彦
・糖尿病今注目の最新療法 清野裕
・〈医師〉〈看護師〉〈患者・家族〉による糖尿病の本 阪本雄一
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