不眠を起こす病気

更年期障害の症状を緩和する自分でできる4つの対策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

笑う女性

前回の記事icon-external-link では、更年期障害の病院での治療法についてご紹介してきました。

ホルモン補充療法や漢方療法など薬を使った治療は大きな効果がありますが、症状を改善するためにできることはこれらの病院で行う治療だけではありません。

その方法とはズバリ、生活習慣の改善です。

食事運動など普段の生活に気を使うことによって更年期障害はもちろんのこと、更年期以降にかかりやすい生活習慣病などの予防にも役立てることができます。

今回は、病院だけでなく更年期障害の症状を緩和する自分でできる対策についてご紹介していきます。







1.大豆を食べる

大豆

まず更年期障害の対策の一つ目は『大豆を食べること』です。

更年期障害は皮膚のハリや骨量の維持、血管をきれいにする作用など多くの働きを持つ女性ホルモンのエストロゲンが減少してしまうことが主な原因となります。

病院で治療を行う場合は、このエストロゲン自体を薬によって補充することにより症状を緩和させていきますが、実は私たちが普段口にする食品の中にもエストロゲンと似た働きを持つものがあります。

それが『大豆』です。

畑の肉』とも呼ばれる大豆ですが、タンパク質やカルシウムが豊富に含まれており、タンパク質によるコレステロールを下げる効果や、カルシウムによる骨を丈夫にする作用、精神を落ち着かせる作用などがあり更年期の女性にはうれしい作用がたくさんがあります。

そして、なにより更年期障害の症状緩和という点において注目したいのが『大豆イソフラボン』です。

大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た構造を持っているので、これを摂取すると身体の細胞がエストロゲンだと思って反応してしまいます。そのため、エストロゲンと似た働きをもたらし、更年期障害の症状緩和に効くのです。

エストロゲン自体が健康維持や美容維持に多くの効果があるので、似た作用を発揮する大豆イソフラボンにも身体に様々な効果をもたらします。

icon-check-circle大豆イソフラボンの効果
  • ほてり・肩こり・疲労の減少
  • 美肌効果
  • 骨が丈夫に
  • コレステロールの低下
  • 体脂肪の減少
  • 内臓脂肪の減少
  • 血行不良の改善

このさまざまな働きを有する大豆イソフラボンは、大豆はもちろんのこと大豆製品である納豆や豆腐、豆乳などにも多く含まれています。

では、この大豆イソフラボンはどのくらい摂取すればいいのでしょうか。

大豆イソフラボンの摂取量の目安は1日あたり40~50mgほどで、豆乳であれば1日にコップ一杯飲めば十分に摂取することができます。

ほかの各食品ごとのイソフラボンの含有量は以下の通りですので、日々の献立に取り入れてみてください。

icon-check-circle大豆イソフラボンの含有量
食 品 含有量
納豆(1パック:45g) 33mg
豆腐(1/2丁:180g) 36mg
豆乳(コップ1杯:200ml) 50mg
油揚げ(1/2枚:75g) 30mg
大豆の水煮(50g) 36mg
きなこ(大さじ1:6g) 16mg

また、これらの食品は様々な料理として味を変えることもできるので日々の食事に取り入れやすいのもいいところです。

以下では、大豆製品を使ったおすすめレシピをご紹介しているので、献立で迷った時などにご活用ください。

icon-check-circleおすすめレシピ

なお、納豆や豆腐など日本人の食生活で長く取り入れられている食品に大豆イソフラボンは含まれているので、多くとりすぎたからといって健康に有害な影響が出ることは基本的にはありません。

ただ、あまりに過剰に摂取しすぎると、身体がエストロゲンが多く分泌されていると勘違いして本来のエストロゲンの分泌量が下がってしまうことがあります。

そうなると、月経不順やPMS(月経前症候群)のような症状があらわれることもあります。

このような場合があるので、内閣府の食品安全委員会は大豆イソフラボンの摂取上限量を設定しており、その量は1日70~75mgとなっています。

これはずっとこの量を日々摂取し続けた場合の数値であり、75mgを超えたからといって直ちに危険というわけではありませんが、食品だけでなく健康食品や特定保健用食品(トクホ)などから摂取している場合は、過剰摂取になってしまうこともあるので注意してください。

2.ヨガ

ヨガをする女性

のぼせやほてり、多汗、動悸など更年期障害の多くの症状は女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れてしまったことにより起こります。

そのため症状を緩和させるためには自律神経を整えることがとても大切です。

自律神経を整えるのに効果的な方法として挙げられるのが『ヨガ』です。

ヨガは呼吸を重要視しており、特にお腹を使った腹式呼吸を行うことで、普段活発になりがちな交感神経を沈め、副交感神経を優位にして心も身体もリラックスすることができます。

また、ヨガによって固まった筋肉をほぐし、そして血流を良くすることによって腰痛や肩こりを改善する効果も期待できます。

そこで、数あるヨガの中でも更年期障害の症状を和らげるのにおすすめなヨガをご紹介します。

どれも寝たままでできる非常に簡単なものばかりですので是非眠る前などにお試しください。

①卍のポーズ

身体を『卍』という漢字のような形にして全身の筋肉を伸ばすのが『卍のポーズ』です。

首や肩、腰の筋肉をほぐし身体中の血の巡りをよくすることによってのぼせ解消効果も期待できます。

icon-check-circleやり方

まず、布団やマットの上に仰向けで横になります。

卍のポーズ①

片足のひざを曲げ、足とは反対側の手でひざをひねるようにして横に倒していきます。

卍のポーズ②

基本的にはひざを床につけますが、つかない場合は浮かしたままでもかまいません。

この時、あごは上げ切った状態にしておきます。

卍のポーズ③

ひざを床につけたら今度は反対側の足を曲げて、ひざを押していないほうの手でつかみます。

卍のポーズ④

このポーズのまま10呼吸分キープします。

同じことを反対側の足でも行い、両足を1セットとして2セット行います。

実際にやってみるとわかりますが、普段伸ばすことのできない筋肉を伸ばしているためとても気持ちいいです。

ヨガをやったことのない人でも簡単にできるので是非おすすめしたいポーズの一つです。

※詳しいやり方は下記動画をご覧ください。

②ワニのポーズ

次は足をひねらせ開きがちな骨盤を整える『ワニのポーズ』です。

腰をひねらせるので腰痛の解消や腸の働きをよくして便秘解消の効果もあります。

icon-check-circleやり方

まず足をまっすぐ伸ばし、両手は両側に開いた状態で仰向けになります。

ワニのポーズ①

息を吸いながら片足をまっすぐにしたまま真上に上げます。

ワニのポーズ②

そのまま息を吐きながら上げた足と反対側に下ろしていきます。顔はおろした方と反対側を向きます。

ワニのポーズ③

この状態で10呼吸分キープします。

この時、肩を浮かさないようにするのがポイントです。

呼吸が終わったら、息を吸いながら倒していた足を真上に戻します。

ワニのポーズ④

そして、息を吐きながら真上に上げた足をゆっくり床に下ろします。

ワニのポーズ⑤

こちらも左右両方の足を2セット行います。

※詳しいやり方は下記動画をご覧ください。

③スキのポーズ

続いて身体の上下を反転させる『スキのポーズ』です。

肩と背骨のストレッチになるだけでなく、全身の血流を良くし神経を沈めイライラの解消にも効果があります。

icon-check-circleやり方

両足をまっすぐ揃え、両手も足方向へ伸ばした状態で仰向けになります。

スキのポーズ①

息を吸いながらお腹に力を入れ、両足を真上に上げます。

スキのポーズ②

さらに息を吸いながら腰に手をあてて支え、両足を頭の上に持っていきます。

スキのポーズ③

腰をしっかりと持ち上げ腰と床を垂直にするのがポイントです。

足が床につかなくても足が頭の上にあればOKです。

余裕があれば手を伸ばしますが、難しい場合は腰に手を当てたままでかまいません。

スキのポーズ④

このポーズのまま10呼吸分キープします。

呼吸が終わったら今度は息を吐きながらゆっくりと足を戻していきます。

スキのポーズ⑤

足を床に戻したら終了です。

スキのポーズ⑥

こちらも2セット行います。

※詳しいやり方は下記動画をご覧ください。

④魚のポーズ

頸椎を伸ばすスキのポーズに対して、頸椎のバランスを整えるのが『魚のポーズ』です。

首から肩にかけての緊張をほぐし、そして胸を開き深く呼吸をすることによってストレスを軽減する効果もあります。

icon-check-circleやり方

足を伸ばして仰向けになり、手のひらを床に向けてお尻の下に両手を置きます。

魚のポーズ①

その状態からひじに意識を集中し力を込めながら胸を上に持ち上げていきます。

魚のポーズ②

頭のてっぺんが床につくまで胸を反らし、大きく開いたままの状態で10呼吸分キープします。

魚のポーズ③

呼吸が終わったらゆっくりとあごを引き、元の仰向けの状態に戻して終了です。

魚のポーズ④

こちらも2セット行います。

※詳しいやり方は下記動画をご覧ください。

この『卍のポーズ』、『ワニのポーズ』、『スキのポーズ』、『魚のポーズ』を毎日繰り返し行いましょう。

ポイントは呼吸に合わせてゆっくりと行うこと身体が伸びる感覚を意識することが大切です。

このほかにも肩こりに悩む方はムドラーというポーズが、腰痛の方は片足前屈が効果的です。

icon-check-circle肩こり:ムドラー

icon-check-circle腰痛:片足前屈

3.呼吸法

深呼吸をする女性

ヨガのところでも触れましたが、更年期障害の症状で悩む場合は、呼吸によって自律神経を整えることがとても大切です。

仕事や家事に子育て、介護といろんな役割を担わなければならない更年期の女性にはストレスがついて回ります。

過剰なストレスは交感神経を過度に興奮させ自律神経の乱れの原因ともなります。

この自律神経の乱れを解消するには深い呼吸をとることが効果的です。

呼吸は息を吸うときは交感神経が、吐くときには副交感神経が刺激されます。

吐くことを意識しながら胸やお腹、横隔膜などの筋肉を大きく動かす深い呼吸を行うことで副交感神経を優位にすることができます。

ヨガのほかにも非常に簡単にできるものとして、理学療法士で文京学院大学でも教授を務める柿崎藤泰氏が提唱する呼吸法をご紹介します。

icon-check-circleやり方

まず、仰向けで横になり、ひざを曲げた状態で壁に足の裏をくっつけます。

そして、足の裏で壁を押して足をまっすぐ伸ばすと、身体が頭の方向へズリズリとずれていきます。

足が伸び切ったら、足に残る突っ張った感覚を感じながらゆっくりと10~20回ほど呼吸をします。

これで終了です。

たったこれだけの動作ですが、壁に足を付けて伸ばすことで下半身が安定し、上半身の筋肉が緩むので自然と深い呼吸ができるようになります。

やってみるとお腹や胸が大きく動き出すのを感じ取れるはずです。

深い呼吸は心も身体もリラックスできるので、めまいや動悸の解消や眠る前に行えば寝つきをよくする効果も期待できます。

すぐ簡単にできるのでストレスがたまってイライラした時などに試してみてください。

4.ウォーキング

森を歩く女性

更年期の症状を和らげ、この時期以降の女性に危険度が増す生活習慣病を予防するには運動をすることが最適です。

運動は更年期障害の原因となるエストロゲンを増やす効果や、身体全体の血流を良くし冷えやのぼせ、肩こり、腰痛を解消する効果、更年期以降に起こりやすい肥満や骨粗鬆症を予防する効果など更年期女性が必要とするものがすべてつまっています。

ただ、これまで運動をする習慣のなかった人がスポーツなどの練習が必要であったり、強度が強いものを始めようとしても長続きさせることは難しいです。

そんな方にはやはり誰でも簡単にできるウォーキングがおすすめです。

ウォーキングは体力がない人でも行うことができ、けがをする心配も少ないので気兼ねなく始めることができます。

なお、運動を行う上で大切なことは継続することです。

1日1万歩歩かねばならないとはよく言われますが、1万歩とは大体5~6kmほどの長さになります。

始めたての頃はやる気もあり、これを達成するのは難しくないかもしれませんが、日々続けるとなると結構つらいものです。

ですので、最初の内は、いつも自転車で通っていたスーパーまで歩いてみたり、仕事帰りにバスを使わず歩いてみたりと普段の生活に取り入れて、かつ続けられそうな距離から始めるのがポイントです。

また、ずっと同じ道を歩くのではなくいったことのない道を使ってみたり、公園などの風景も楽しめる場所を通ってみたりすると新しい発見があり歩くのも楽しくなってきます。

ほかにも最近のスマホには万歩計機能がついているものが多くあるので、それを日々チェックするとどれくらい歩けたのかがわかり、目標を設定することもできるので続けやすくなります。

運動で汗をかくことは身体の不調や病気の予防に効くのはもちろんのこと、精神の安定やストレスに大きな効果があります。

特にこれまで運動をしていない人であればその効果はより実感できると思います。

少しの運動でもよいのでこれを機会にウォーキングを始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ:更年期は人生の第二のスタート

以上、更年期障害の症状を緩和する自分でできる対策についてご紹介してきました。

現代の多くの女性を悩ませる更年期障害ですが、実は戦前の日本ではほとんど問題となったことはありませんでした。

これは、戦前の女性は多産が多く平均寿命も50歳ほどしかなかったので、更年期を迎える前に生涯を終える人が多かったのです。

しかし、現代では状況も変わり、世界一の長寿国と呼ばれる日本の女性の平均寿命は2015年で約87歳、更年期を迎える40~50代の方はまだ人生の折り返し地点に立ったにすぎません。

ところで皆さんは更年期のことを英語で何というかご存じでしょうか。

最もよく使われるのは『Menopause』という閉経も意味する単語ですが、このほかにも『Change of Life』という使われ方もします。

まさにChange of Lifeの言葉通り、更年期は人生を変える第二のスタートの時期です。

これまでの妻としての自分、母としての自分、娘としての自分などを振り返り、ここからまた新しい人生が始まるという明るい気持ちで更年期を皆さんが乗り越えていくことができるよう願っております。

生理不順や動悸など、女性を悩ます更年期障害の15の症状
更年期障害の病院での5つの検査と自分でできるチェック法
ホルモン補充療法(HRT)と漢方療法。更年期障害の2つの治療法とは

参考:
・更年期の不安を解消! 日経ヘルス編
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*