不眠を起こす病気

夜間頻尿が気になる…。前立腺肥大症の主な4つの症状とその検査法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

夜間頻尿で悩む

最近夜トイレで起きることが多くなった…

男性の中で夜間頻尿に悩んでいる方、もしかしたら前立腺肥大症という病気かもしれません。

前立腺肥大症とはその名の通り、前立腺が大きくなることで排尿に関する機能がうまく働かなくなり、頻尿や残尿を引き起こしてしまう病気です。

夜何回もトイレで起きてしまっては、ぐっすり眠ることもできず身体を休ませることができなくなってしまいます。

今回は、この前立腺肥大症の症状やその検査法についてご紹介していきます。

※前立腺肥大症の治療や自分でできる対策について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

前立腺肥大症の治療法と自分できる4つの対策







1.前立腺肥大症の症状

①頻尿

前立腺肥大症の代表的な症状は夜間も含む『頻尿』です。

前立腺は膀胱の近くの尿道を取り巻くように位置していて、これが肥大すると尿道を刺激してすぐトイレに行きたくなってしまいます。

通常、成人男性の一日の排尿の回数は5~6回ほどですが、これ以上の回数の場合は頻尿と呼ばれます。

また、日中に2時間もたたないうちにトイレに行きたくなる、あるいは、夜眠っている時でも2回以上トイレのために起きてしまうという場合は、前立腺肥大症を疑ったほうがいいでしょう。

②残尿感

前立腺の肥大は『残尿感』も引き起こします。

健康的な人であれば、排尿後は尿が膀胱にたまっている感覚もなく、すっきりした開放感を得ることができますが、前立腺が肥大していると尿が途中で途切れたり、排尿後にもまだ尿が残っているような感覚を覚えることがあります。

前立腺は尿道の周辺にあるのでこれが大きくなると、尿道が圧迫されて尿が出にくくなります。完全に尿ができらないと当然膀胱の中に尿が残ることになり残尿感を覚えてしまうようになります。

③排尿困難

また、前立腺の肥大による尿道の圧迫は、『排尿困難』も引き起こします。

排尿困難とは、尿が出始めるまでに時間がかかったり、排尿の勢いがなく力が弱まったりする症状です。

排尿時の尿が描くラインを尿線(小便小僧の銅像でよくある弧を描くように水が出るラインのことです。)と呼びますが、これが2本になったり途中で途切れたりすることもあります

重症の場合は、尿閉と呼ばれる尿が出なくなってしまう症状があらわれる場合もあります。

④尿漏れ

尿をためているときは膀胱の出口を尿道括約筋という筋肉が収縮することによって尿を出ないようにしています。

前立腺の肥大によって膀胱に残尿が溜まると、尿道括約筋の尿をとどめる力を上回り、尿が漏れ出してしまうことがあります。

この尿漏れも前立腺肥大症の代表的な症状の一つです。

このほかにも、血尿や腎臓の機能低下による足のだるさ・むくみ、急に尿意をもよおしてしかも間に合わないような気がしてしまう尿意切迫感などの症状が出ることもあります。

2.前立腺肥大症の実態

実は、このような症状に悩む人は非常に多く存在しています。

前立腺肥大症の患者数は平成26年で約51万人にものぼります。例えば、皮膚にできる蕁麻疹の患者数が約27万人ですからその多さがわかると思います。

前立腺肥大症の患者数は年々徐々に増加していて、この15年で約1.5倍にもなっています。

前立腺肥大症の患者数推移

前立腺の病気ですので、患者はすべて男性ですが、男性でも50歳以上によくみられる病気です。患者数のほとんどは高齢の男性です。

前立腺肥大症の年齢別患者数

※上記2つのグラフは患者調査(厚生労働省)を参照し筆者が作成したものです。

※クリックすると拡大できるようになります。

しかし、これはあくまで病院で治療を受けた患者数です。

頻尿や残尿感などの症状はあまり人に相談したくないのが正直なところで、症状が出ていても病院に行っていない人は多数いると考えられます。ですので、実際の数はもっといると推測できます。

他にも50歳以上の男性に5人に1人は前立腺肥大症にかかっているという報告もあります。

このように前立腺肥大症は非常に発症率の高い病気で誰でもなる可能性があります。

3.前立腺肥大症の原因

なぜこのような前立腺の肥大は起こるのでしょうか。

前立腺肥大症の原因はいまだ明確になっていませんが、加齢や遺伝、喫煙、性ホルモンなどが関係しているといわれています。

実際に先ほど紹介したグラフを見ればわかる通り、年齢が上になるほどその発症率は増えているので加齢が一番の要素であると推測できます。

4.前立腺肥大症の検査

次に、実際に前立腺肥大症の疑いがあって病院で診察を受ける際に行われる検査法についてご紹介していきます。

前立腺肥大症かどうかや病気の進行度などを調べるためには以下のようないろんな検査が必要となります。

① 問診

検査には他の病気と同様にまず問診から入ります。

問診では、症状がいつから始まったか、排尿の状態はどうか、現在他の病気にかかっていないか、あるいは過去の病歴はどうか、家族の病歴はどうか、そして性生活についてもきかれることもあります。

そして、このような問診の後にIPPSという診断テストを行います。IPPSとはアメリカ泌尿器科学会が作成した前立腺の症状を評価するテストです。

これは7問の設問に答えるだけの簡単なテストで、自分でも行うことができます。もし興味がある方は、以下のページで診断ができるのでやってみてください。

icon-external-link 自分で簡単診断!前立腺肥大症セルフチェック(IPSS)

このような問診が終わった後、実際に診察をしていきます。

② 直腸診

直腸診とは、医師が肛門から直腸に手を入れ、隣にある前立腺を直腸の壁越しに直接触って状態を調べる検査です。

直腸診は前立腺肥大症かどうかを判断するには欠かせない検査で、この検査によって前立腺肥大症の7~8割はわかるといわれています。

肛門に手を入れるので抵抗感がありますが、ほとんど痛みを感じることもなく終わります。

③ 尿検査

尿に関する病気なのでやはり尿検査も行われます。

排尿障害の症状が前立腺肥大症だけでなく膀胱炎や糖尿病などの可能性もあるため、これらを診断するため尿の中の赤血球や白血球、細菌などの状態を調べます。

④ 尿流検査

尿流検査とは排尿の際の尿の出る勢いを測定する検査です。

症状のところでも述べたように前立腺肥大症の場合、排尿量の低下や排尿時間の延長が症状として現れるのでこのような排尿障害を客観的に診断することができます。

尿流検査は、下の図のようにセンサーのついたトイレに排尿することで自動で測定できるようになっています。

出典:医療法人社団昇陽会阿佐ヶ谷すずき診療所

⑤ PSA検査

PSA検査とは、血液検査のことで主に同じ前立腺の病気である前立腺がんかどうかを調べることができます。

前立腺がんは、発生すると前立腺がん特有の物質が血液中に混じるようになります。

この物質がPSA(前立腺特異抗原)というたんぱく質分解酵素です。このPSAの血中濃度が高いと前立腺がんの疑いが強まります。

最近では、自治体のがん検診でもこのPSA検査を行っているところがあります。

50歳以上の男性は、排尿障害がなくても一度は受けるべき検査ですので、機会があれば積極的に検査を行うようにしましょう。

⑥ 超音波検査

超音波検査とは、身体に超音波をあててその反射から前立腺の状態を画像にして診断する検査法です。排尿した後に行えば、残尿の状態も確認することができます。

超音波検査は、お腹の上から行う経腹的超音波断層検査、肛門から直腸に器具を挿入して行う経直腸的超音波断層検査、尿道に直接器具を挿入する経尿道的超音波断層検査の3つの手法があります。

実際に多く行われるのは、痛みや抵抗の少ないお腹からの検査です。

この検査も前立腺がんかどうか診断するための材料の一つとなります。

⑦ MRI検査

MRI検査の様子

photo credit: National Institutes of Health (NIH) Fully Integrated Whole-body Simultaneous PET/MRI Device via photopin (license)

MRI検査とは、強い磁場を発生させるトンネルのような機械に体を通し、磁器の力を利用して体内の状態を画像として出力する検査です。

この検査で前立腺の大きさや形を調べることによって前立腺肥大症か前立腺がんのおおよその区別を行うことができます。

このように前立腺肥大症は似た病気である前立腺がんかどうかも判断しなければならないためいろいろな検査が行われることになります。

以上が前立腺肥大症の症状やその検査法となります。

次の記事では、検査後に実際に行われる治療法や自分でできる対策についてご紹介していきます。

前立腺肥大症の治療法と自分できる4つの対策










参考:
・前立腺肥大症診療ガイドライン 日本泌尿器科学会
・よくわかる最新医学 新版前立腺肥大症・前立腺がん 澤村良勝
・これで安心!前立腺がん・前立腺肥大症~自分に合った治療法を選ぶ~ 監修 市川智彦
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*