睡眠障害

その寝ぼけ病気かも?睡眠時随伴症の7つの症状と対処法

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睡眠時随伴症

夜中に突然起き出してうろうろしている…寝ぼけているのか夜中に突然殴られてしまった…

お子さんやパートナーでこんな症状を経験したことはありませんか。このような症状が出た場合、それは『睡眠時随伴症』の可能性があります。

睡眠時随伴症といわれてもなじみがない方が多いと思いますが、夢遊病は聞いたことがあるのではないでしょうか。この夢遊病も睡眠時随伴症の症状の一種です。

このような症状があらわれたとき、どうしていいかわからず混乱してしまうと思います。

そこで、今回は睡眠中に異常行動を起こしてしまう睡眠時随伴症の7つの症状とその対処法をご紹介します。







1. 睡眠時遊行症(夢遊病)

睡眠時遊行症とは、寝ているはずなのに起き上がりうろうろ歩き回ってしまう症状のことをいい、一般的には夢遊病と呼ばれています。

眠り始めてから2、3時間のうちにあらわれることが多く、うろうろしているときに話しかけてもはっきりとした対応をとることはありません。また、起こそうとすることは難しく、朝目覚めたときにその行動を覚えていないのも特徴です。

主に小さい子供がかかるもので、小児の発症率は17%と約5人に1人の割合でかかるわりと一般的な症状です(※1)。

ただ、まれに成人してからもこの夢遊病の症状が出る場合もあります。アメリカのある調査では、成人の約30%が夢遊病を経験していることが報告されています。(※2)

原因としては、脳の発達が未熟であるために生じるといわれていますがはっきりとしてことはわかっていません。また、遺伝的要素もあるといわれており、両親がともに夢遊病の経験がある場合、その子供の6割が同じ症状が出るという報告もあります。(※3)

脳の発達が影響しているため、基本的な対処法は成長するのを待つことです。成人になれば症状はほぼ解消されます。

また、症状が出たときには、周りのものを片付ける、ドアのカギをしめるといったケガをしないような工夫をし、話しかけると興奮することがあるのでそっと見守ることが大切です。

症状が重い、あるいは頻度が多いという場合は少量の睡眠薬を投与することもあります。

※1 健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)
※2 Prevalence and comorbidity of nocturnal wandering in the U.S. adult general population.
※3 神山潤オフィシャルWEBサイト

2. 睡眠時驚愕症(夜驚症)

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睡眠時遊行症と似たものに睡眠時驚愕症があります。睡眠時驚愕症とは、睡眠時に突然大きな叫び声をあげたり、泣きわめいたり、起き上がって歩き回ったりする症状で、夜驚症(やきょうしょう)とも呼ばれます。

睡眠時遊行症と同様に眠り始めてから2,3時間で症状があらわれ、反応も薄く、起きたときにはほとんど覚えていません。睡眠時遊行症は長くて30分ほど続くことがありますが、睡眠時驚愕症の場合、数分から10分程度で収まります。

睡眠時驚愕症も小さい子供に多く、小児の発症率は1~6.5%と推定されています。(※)

発症には睡眠リズムの乱れ疲労ストレスなどが影響していると考えられているため、これらを取り除いていくことが必要となります。

また、基本的には成長とともに解消され、思春期以降には自然消滅するといわれています。

まれではありますが、ジアゼパムという抗不安薬が用いられることもあります。

※ 健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)

3. 錯乱性覚醒

錯乱性覚醒とは、徘徊はしないものの泣き叫んだり、手足をバタバタさせたり精神的な混乱が見られる症状です。時には暴力的な行動があらわれることもあります。

睡眠時遊行症や睡眠時驚愕症と同様なだめようとすると逆に興奮する傾向があります。

小さい子供から比較的若い世代の成人(35歳以下)までに見られる症状で、3~13歳の発症率は17.3%にものぼるといわれています。(※)

睡眠不足やアルコール、ほかにも睡眠時無呼吸症候群icon-external-link がきっかけで生じることもあります。

やはりこれも基本的には成長ともに自然に治るので、経過を見守っていくこととなります。

※3 神山潤オフィシャルWEBサイト

4. 睡眠時遺尿症(夜尿症)

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睡眠時遺尿症とは、いわゆるおねしょを繰り返してしまうことで夜尿症とも呼ばれています。

おねしょではなく病気の睡眠時遺尿症と診断されるには①5歳以上であること、②週2回以上してしまうという2点が必要となります。

発症率は6歳児で10%、7歳児で7%、12歳児で3%と小さい子供の場合も多いですが、小学校6年生になっても1クラスに1人ぐらいの割合で発症します。(※1)

原因としては、①おしっこをしなくてはならなくなっても起きられないという覚醒障害、②膀胱の容量が小さいために寝ている間におしっこを十分にためておけない、③通常、夜間に分泌されて尿量を減らす抗利尿ホルモンの分泌が十分でないという3点が挙げられます。

また、遺伝的な要素も強く、両親が夜尿症であった場合、その子どもの発症率は77%にもなり、逆に両親とも夜尿症でない場合は15%とガクッと落ちます。

夜尿症の基本的な対処法は『おこさず・怒らず・焦らず』です。

上に挙げてきた症状と同じで成長とともにほとんどの場合解消されます。6歳児のうちの10人に1人はかかる一般的な症状なので、できない子と叱ったりするのではなく、優しく見守ることが大切です。

ほかにも主な治療法としては①おねしょアラーム、②抗うつ剤、③抗利尿ホルモン剤の3つがあります。

おねしょアラームとは、夜おねしょをした場合に警報が鳴るものでおしっこがしたくなったときに起きられるようにするものです。また、アラームが鳴りおしっこを我慢することで膀胱にためられる尿の容量を増やす効果もあります。欧米での夜尿症治療はこのアラームが主流となっています。

●おねしょアラームの例

抗うつ剤は、うつの症状を改善するだけでなく、副作用として尿を出にくくする作用があります。また、抗利尿ホルモン剤とは、その名の通り尿を減らす薬です。これらを利用しておねしょをしにくくさせます。

※ 神山潤オフィシャルWEBサイト

5. レム睡眠行動障害(RBD)

レム睡眠行動障害とは、睡眠中に寝言を言ったり、突然起き出して叫んだり、時には暴力をふるってしまったりする症状です。症状だけを見ると睡眠時遊行症や睡眠時驚愕症と似ていますが、違いはレム睡眠中におこるという点です。

そもそも、睡眠には体を休める比較的浅い眠りのレム睡眠と脳を休める深い眠りのノンレム睡眠があります。

レム睡眠は多くの場合夢を見ます。その夢に合わせて体を動かしてしまわないよう通常は体を動かす神経を麻痺させています。

しかし、この麻痺がうまくおこらず、夢に出たことをそのまま実際の体で動かしてしまうことでおこるのがレム睡眠行動障害です。比較的浅い眠りであるレム睡眠中に起こるため、呼びかけたりゆすったりすると目覚めさせることができます。

逆に、睡眠時遊行症や睡眠時驚愕症は深い眠りであるノンレム睡眠中であり起こすことは困難です。

睡眠時遊行症や睡眠時驚愕症は子どもに多く出る症状ですが、レム睡眠行動障害は50~60歳以上の高齢で出やすく特に男性が多いといわれています。

原因は詳しくはわかっていませんが、パーキンソン病などの神経の病気や抗うつ剤などの薬、アルコール依存などによって引き起こされる場合があります。

主な治療法は薬物治療で、睡眠薬や精神安定剤として利用されるクロナゼパムという薬が使われます。クロナゼパムは他にも抗てんかん薬として使われることもある薬です。

6. 反復孤発性睡眠麻痺(金縛り)

反復孤発性睡眠麻痺とは、いわゆる『金縛り』です。

ある調査では、金縛りは約4割の人が経験しているといわれていますので、非常に一般的な症状です。

睡眠麻痺は過眠症の一種であるナルコレプシーicon-external-link という病気にかかっていても起こる症状ですが、その場合は日中の強い眠気や突然の居眠りなど睡眠発作という症状があります。こうした症状がなく金縛りだけ起こるので孤発性という名前がついています。

金縛りは、ストレスや睡眠リズムの乱れから起こるといわれていますので、対処法としてはこれらを取り除くことが必要となります。

7. 睡眠関連摂食障害(SRED)

睡眠時随伴症 睡眠関連摂食障害

photo credit: osseous September 9, 2016 via photopin (license)

睡眠関連摂食障害とは、夜中に突然起き出して無意識のうちに食べ物を大量に食べてしまう症状です。

冷蔵庫に入っているものをそのまま食べたり、十分に火が通っていないものを食べたりしてしまうのが一般的ですが、時には、包丁を使ったり電子レンジを使うといった細かい動作までしてしまうことがあります。しかし、多くの場合、この夜中の過食について覚えていません。

無意識のうちにこのようなことをしてしまうので、自身のケガや火事、過食による肥満などの危険性があります。

ある大学生を対象にした調査では約5%の人がその症状を経験したことがあるといわれており、これもわりと一般的な症状となります。(※)

食べることに対して精神的問題がある、ダイエットをしている、ストレスを抱えているといったことが原因として考えられますが、これらにあてはまらないケースも多く詳しいことはわかっていません。

対処法としては薬物治療が行われ、トピラマートという抗てんかん薬が効くといわれています。

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まとめ:暖かく見守ることが大切です

以上、睡眠時随伴症の症状や対処法についてご説明してきました。

突然夜中に起き出して異常行動をしてしまうと当然家族は混乱してしまうものです。時にはおかしくなってしまったのではないかと心配になってしまいます。

しかし、子どもの睡眠時随伴症のほとんどは成長とともに自然と治っていくことが多いです。症状が出てもあまり焦らずケガをしないように配慮するなど暖かく見守ることが大切です。

また、最近では子どもだけでなく大人もこのような症状が出てしまうことが多くあります。睡眠時随伴症は子どもでも大人でもかかる一般的な病気ですので、自分たちだけで抱えず必要があれば専門医に相談するようにしましょう。










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